MSYS、製造業向け品質情報総合管理システム「QDA9」を販売


 丸紅情報システムズ株式会社(MSYS)は、米ASI DataMyteが開発した製造業向け品質情報総合管理システム「QDA9」を25日より販売する。

 QDA9は、設計部門、製造部門、生産管理部門、品質管理部門、購買部門、サポートセンター、サプライヤなどに分散する製品品質に関する情報を集約し、品質管理計画に基づいた垂直統合管理を実現するソフト。

 開発・製造の検査工程において、誰がどの部品の何を測定すればいいのか、またどの部門の誰がデータを管理し確認するかを計画する検査システムが構築できる。検査や測定の結果だけではなく、検査の手順や使用した機器などの情報管理、承認や進ちょくといった工程管理、および試作・量産工程にまたがった製造条件の運用などまで行えるのが特長という。

 収集した情報はデータベースに蓄積し、必要に応じて表やグラフなどの任意の形式に出力することが可能。材料や部品のサプライヤ情報、納入日、クレームの件数と内容、設計の変更履歴、製造ラインの情報なども、検査や測定に関する情報に関連付けて管理できる。また、リアルタイムに情報を共有する機能により、品質の均一化、不良品の流出防止、不良原因の早期特定など、品質全般の向上に貢献する。

 品質管理において基準に満たない製品が見つかった場合は、データベースに蓄積された検査に用いた機器や検査手順、製造に用いた機械、部品や素材の納入時期といった情報から原因を追及することが可能。不良品発生の兆候を早期にとらえ、原因を究明し、不良流出を防ぐための判断を素早く行えるようにする。

 なお、QDA9は、品質マネジメントシステムの自動車産業向け国際規格ISO/TS16949に準拠している。

 価格は500万円(税別)から。産業用機械や自動車など部品数が膨大で複雑な製品を扱う製造業を中心に提案していき、販売開始から1年間で約3億円の売り上げを目指す。

品質計画。先行製品品質計画(APQP)に対応。製品の品質計画を立てるだけでなく、進ちょく状況を管理することが可能。故障モード影響分析(FMEA)やコントロールプラン(QC工程図)、検査計画などの機能とリンクしているため、設計変更の際にも確実に変更管理できる検査計画。受入検査、各工程の検査、出荷検査などの検査計画立案を支援する。CADビューア機能などを使ってビジュアルな検査計画を作り、作業者によるミスを減らせる


検査データの収集。検査装置や計測器からデータをデータベースに直接取り込める。紙への記入やPCへの手入力をなくすことで検査業務の工数を削減し、人的ミスの可能性を減らせる分析/工程管理。不具合の発生を未然に防止する統計的工程管理(SPC)機能を提供。管理図だけでなく、ヒストグラムや箱ひげ図などさまざまな分析ツールが用意されており、多面的な分析が可能


品質レポートの作成。単なる検査レポートではなく、検査データと工程パラメータなどを統合した品質レポートの作成が可能。フォーマットも顧客指定フォーマットや自社フォーマットを自由に作成できる市場クレームへの対応管理。市場クレームに対して担当者やスーパーバイザーを決め、対応内容や進ちょく状況を管理できる
関連情報
(川島 弘之)
2012/9/21 17:00