富士通、業務システムのパフォーマンスを分析するソフト~プライベートクラウドにも対応


 富士通株式会社は19日、業務システムのレスポンス/ボトルネックを分析するソフト「Systemwalker Service Quality Coordinator V15」を発表した。同日より販売を開始する。

 Systemwalker Service Quality Coordinator V15は、プライベートクラウド環境を含む業務システムのパフォーマンスを分析するためのソフト。クラウド運用などを通じて実用化した富士通独自の分析技術を用いて、業務システムのWebサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーごとの処理能力不足や仮想リソース上の競合など、ボトルネックを切り分けることができる。

 これは、富士通が業務システムの性能と仮想リソースとの関係を、約90パターンの評価モデルで検証し、その結果を約180種の分析シナリオとして体系化したもので、このノウハウを搭載しているため、複雑な監視設定をすることなく自動的に問題点を切り分けられるという。

 また、通常収集しているWebログと物理リソース、仮想リソースの情報だけを用いて分析することにより、業務システム負荷をCPU使用率2%未満に抑えられるので、システムに負荷をかけず、運用中の分析が可能になっている点も特徴。さらに、ボトルネック解消の対策として、Web、アプリケーション、データベースの各サーバーを追加した場合のレスポンス時間、仮想環境の配置を見直した場合の効果を、事前に検証する機能も備えた。

 さらに、物理環境から仮想環境への移行において、業務システムの負荷を曜日や時間帯で把握することにより、システムの利用実態に即した分析が可能。移行先で必要となるサーバー台数を自動計算できる。なおこの分析技術は、富士通が200以上の顧客企業における導入実績を踏まえて開発されており、物理環境から仮想環境に加えて、仮想環境のアップグレードにも対応。同社のセンターでの事例では、CPUの稼働率を約30%から60%に向上させて、センター全体でサーバー台数を半減できたとしている。

 ライセンス価格は、Standard Editionのエージェント用が5万円(税別)から、マネージャー用が55万円(税別)から、Enterprise Editionのエージェント用が5万円(税別)から、マネージャー用が139万円(税別)から。なおStandard Editionは、ダッシュボードによる可視化機能や、クラスタシステム対応などが省略されている。

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(石井 一志)
2012/7/19 15:38