HP、1.3kg軽量モバイルノートなど法人向けPC製品15機種発表


 日本ヒューレット・パッカード株式会社は6月21日、法人向けにノートPC 9機種、デスクトップPC 4機種、Xeonプロセッサーを搭載したワークステーション2機種、計15機種を発表した。新製品は6月21日よりHPのオンラインストア、Directplusコールセンター、HP Directpartner、日本HP販売代理店で順次販売開始する。

日本市場のニーズに応える、日本発グローバルPC

日本ヒューレット・パッカード株式会社 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡 隆史氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡 隆史氏は、「日本の顧客の要望を形にした。日本の顧客の高い要求レベルを満たすことが、グローバルに輸出していくノウハウにつながる」とコメント。キーワードとして、「省スペース性」「省電力」「セキュリティ」「東京生産(MADE IN TOKYO)」の4つを挙げた。

 「省スペース性」では、HPの法人向けPCでは初となる、11.6インチ液晶搭載・重量1.3kgのモバイルノートPC「HP EliteBook 2170p」をラインナップに追加。「2170p」は日本のユーザーのニーズに合わせて開発した小型軽量のモバイルノートで、1.3kgの携帯性と、第3世代のインテルCore i5/i7プロセッサーの性能、耐衝撃性や耐振動性、拡張性を備えた。

 また、デスクトップ機では日本のオフィス環境に考慮して、2002年時点からコンパクトなデスクトップPC「Evo Desktop D500 US」の販売を開始。以来積み重ねたノウハウが、今回発表の幅6.6cmのスリム筐体を採用した「HP Compaq Elite 8300 US」、幅約10cmの省スペース型ワークステーション「HP Z220 SFF Workstation」に盛り込まれている。

 「省電力」について、岡副社長は「東日本大震災以来、電力が大きな問題となっている日本ではもちろん、グローバルにおいてもコスト削減、環境保護の観点から省電力が求められている」とコメント。今回の新製品では、電源管理ソフトウェア「HP Power Assistant」に日本独自のリクエストから「ピークシフト機能」を追加し、ノートPC全製品に標準搭載した。

 シンクライアントPC「HP Compaq Elite 8300 US」では消費電力を12Wに抑え、約4年前のPCとの比較で71%減となる大幅な省電力性を実現。8300 USのHDDをSSDに替えれば消費電力は10W以下に低減できる。「HP Power Assistant」は、曜日単位、時間単位、個人単位、部署単位でも設定が可能。消費電力診断ツールも提供し、Web上で簡単に診断できる。

 「セキュリティ」では、ノートPC全製品とデスクトップPCの「HP Compaq Eliteシリーズ」、「HP Z220/Z220 SFF Workstation」には、デバイスアクセス制御、データ暗号化、データ完全消去などのセキュリティ機能を統合した「HP Protect Tools」を標準搭載した。

 「MADE IN TOKYO」については、日本HPでは従来から東京の昭島工場でデスクトップPC、ワークステーションを生産してきたが、2011年8月からはノートPCの生産も開始。これにより、ノートPCについても自由に構成をカスタマイズ可能で、5営業日という短納期で納品することが可能になった。今回発表の製品では、デスクトップPCおよびワークステーション全機種、ノートPCではHP EliteBookシリーズの「2170p」、「2570p」、HP ProBookシリーズの「6570b」、「4540s」、「4740s」、「4340s」の6機種が東京生産となる。


岡副社長は「世の中にないような製品を開発する、それがHPらしさ。開発投資を行い、コモディティを意識しないで面白いものを作る」とHPの開発姿勢を説明「2170p」など日本で企画開発した製品がグローバルで調達できる


日本向けの1.3kgモバイルノート「HP EliteBook 2170p」などノートPC 9機種

1.3kgの軽量モバイル「HP EliteBook 2170p」

 日本HPの法人向けノートPCは、3年間の長期標準保証、マグネシウム合金とアルミニウムによる堅牢な筺体を採用する上位モデル「HP EliteBook pシリーズ」、拡張性の高い「HP ProBook bシリーズ」、コストパフォーマンスを重視した「HP ProBook sシリーズ」の3シリーズをラインナップするが、今回全ラインナップを一新。全モデルで、セキュリティ統合ツール「HP Protect Tools」に加え、ピークシフトに対応する電源管理ソフトウェア「HP Power Assistant」を標準搭載した。

 「HP EliteBook pシリーズ」は、特殊環境や高温、低温環境での動作など、米軍の調達基準である「MIL-STD-810G」テストをパスした高い堅牢性と信頼性を備えたプロフェッショナル向けのシリーズ。今回発表の新製品は、14.0インチワイド液晶を搭載した「8470p」、15.6インチフルHD(1920×1080)ワイド液晶を搭載した「8570p」、12.5インチワイド液晶搭載「2570p」、11.6インチワイド液晶搭載「2170p」の4機種をラインナップ。価格は「2170p」で10万800円から。

 「HP ProBook bシリーズ」では15.6インチワイド液晶搭載「6570b」1機種を追加。また、「HP ProBook sシリーズ」では、13.3インチワイド液晶搭載「4340s」、15.6インチワイド液晶搭載「4540s」と「4545s」、17.3インチワイド液晶搭載モデル「4740s」の4機種を追加。「4545s」はAMD Fusion APUを採用した価格重視のモデルとなる。


消費電力12WのシンクライアントなどデスクトップPC 4機種とワークステーション2機種

ウルトラスリム筐体の「HP Compaq Elite 8300 US」

 法人向けデスクトップPCでは、ハイエンドモデル「HP Compaq Elite 8300シリーズ」と、省スペース型のスタンダードモデル「HP Compaq Pro 6300 SF」のラインアップを一新。第3世代インテルCoreプロセッサーを搭載するほか、全モデルでUSB3.0インターフェイスを装備。また、搭載メモリーをPC3-10600から伝送速度が向上したPC3-12800に変更した。全製品で国際エネルギースターに適合したモデルが選択できる。

 「HP Compaq Elite 8300シリーズ」は、データの暗号化と完全消去、パスワード管理、指紋認証などの機能を搭載した統合セキュリティツール「HP Protect Tools」を標準インストールしたハイエンドモデル。ほかに、拡張性の高いミニタワー型筐体の「8300 MT」、省スペース筺体ながら拡張性も確保した「8300 SF」、高い低消費電力を実現し、幅6.6cmのウルトラスリム筐体を採用した「8300 US」の3モデルをラインナップした。価格は「8300 US」で7万3500円から。

 ワークステーションでは、Xeon E3-1200 v2プロセッサーファミリーを搭載するエントリークラスのワークステーション「HP Z220 Workstationシリーズ」を追加。HPの法人向けデスクトップ型では初めてインテル スマート・レスポンス・テクノロジーに対応した、小容量のSSDをキャッシュとして搭載することによりOSやアプリケーションの高速化を実現するインテリジェント・ディスク・キャッシング機能を装備した。PCI Express 3.0(×16)スロット、外部接続機器との高速転送が可能なUSB3.0ポートなど、最新インターフェイスと高い拡張性を備えた。筐体の違いで、拡張性の高いミニタワー型の「Z220」と、幅10cmの省スペース型筺体の「Z220 SFF」の2モデルを用意した。価格は、幅10cmの省スペース型筺体を採用した「Z220 SFF」で11万5500円から。


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