サイオス、子会社のグルージェントをクラウド専業企業に

予算策定のクラウドサービス「Adaptive Planning」を販売開始


 サイオステクノロジー株式会社は6月18日、クラウド市場に対する事業拡大に向けて、グループ体制の大幅な見直しを行うことを発表した。7月1日から、「Google Apps」を中心としたクラウド関連の事業を、子会社の株式会社グルージェントに移管し、グルージェントを「Google Apps」リセール、クラウド分野に専業展開する事業会社とする。また、グルージェントが、アダプティブ・プランニング株式会社と予算策定・フォアキャスト管理のクラウドサービス「Adaptive Planning」について販売代理店契約を締結したこともあわせて発表した。

サイオステクノロジー 代表取締役社長の喜多伸夫氏クラウド事業強化の概要

 クラウド事業拡大について、サイオステクノロジー 代表取締役社長の喜多伸夫氏は、「当社は設立以来、順調に業容を拡大しており、現在は、クラウド事業、事業継続、OSS事業、WebApp開発事業の4つ領域で事業を展開している。そして、今後は、クラウドサービス、スマートデバイス、エンタープライズソーシャルの3つの分野にフォーカスを当て、ワークスタイルの変革を提案していく方針だ。今回、その一環としてクラウド事業を大幅に強化する」との考えを述べた。

 クラウド事業の強化にあたっては、「これまでグループ内に分散していたクラウド関連事業を、子会社のグルージェントに移管するとともに、クラウド事業に関係していた人員もグルージェントに集約し、30人の専任者の組織で強力に事業を推進していく」(喜多氏)という。また、この事業移管にともない、グルージェントはこれまでの「Google Apps」向けのSaaS事業である「Gluegent Gate」や「GluegentAppsシリーズ」の開発・提供に加え、「Google Apps」「Salesforce.com」のリセールなど、クラウド製品の販売事業も手掛けていく。

グルージェント 代表取締役社長の栗原傑享氏サイオスグループ内のシナジー

 グルージェント 代表取締役社長の栗原傑享氏は、「今回の事業再編によって、当社は、クラウド専業の事業会社としてサイオスグループ内に位置づけられ、グループの事業領域がきれいに整理された。今後、Google Apps、Google Maps、Google補完の自社SaaSなどGoogleビジネスを中心に、iOS向けAppsクライアントなどスマートデバイスアプリの事業にも取り組んでいく」としている。

 グルージェントでは、サイオスグループが推進するワークスタイルの変革に向けて、アダプティブ・プランニングと予算策定・フォアキャスト管理のクラウドサービス「Adaptive Planning」に関する販売代理店契約を締結し、本日より「Adaptive Planning」日本語版の販売を開始する。

 「Adaptive Planning」は、企業および団体の予算編成や予算実績管理・分析を行えるクラウドサービス。低コストで導入でき、専用アプリケーションによって入力ミスを最小限に抑えることが可能。予算策定、業績見通し管理を行う際のサイクルである「予算」、「見通し」、「実績」の比較分析を可視化し、クラウド上での共同作業により、大幅に業務効率を改善できる。すでに、世界25か国以上、1350社2万5000人を超えるユーザーに活用されているという。

アダプティブプランニング 日本代表の吉岡賢司氏企業の会計予算とワークスタイルの変革

 アダプティブプランニング 日本代表の吉岡賢司氏は、「『Adaptive Planning』は、ワークスタイルの変革に向けて、予算策定および業績見通しを管理する企業の最もコアな業務領域をクラウドで提供するサービス。クラウドによる共同作業が行える点、企業の財務数値を効率的にコントロールできる点、そしてマーケット数値から市場の実態を全社で見える化できる点、この3つのポイントが評価され、グルージェントでの取り扱いが決定した」と、グルージェントとの販売代理店契約に至った背景を説明している。

 グルージェントとアダプティブプランニングは、今後、国内の中堅企業および大企業に向けて「Adaptive Planning」を共同で拡販展開するほか、グルージェントのもつGoogle App導入企業に対しても積極的にアプローチしていく方針だ。


関連情報
(唐沢 正和)
2012/6/19 08:32