SAS Japan、ビッグデータを超高速に可視化する「Visual Analytics」を国内提供


「SAS Visual Analytics」のコンポーネント

 SAS Institute Japan(以下、SAS Japan)は22日、ビッグデータを超高速に可視化するインメモリソリューション「SAS Visual Analytics」の国内提供を7月より開始すると発表した。

 「SAS Visual Analytics」は、SASの主力製品「SAS High-Performance Analytics」製品群の最新製品であり、新開発の超高速インメモリ分析エンジン「SAS LASR Analytic Server」上で稼働する第1弾製品となる。

 「SAS LASR Analytic Server」は、汎用ブレードサーバーを活用し、ビッグデータの可視化によりビジネスの洞察を得られるように専用設計されたスケールアウト型インメモリアーキテクチャ。さまざまなソースからのデータをブレードごとに実装されたHDFS(Hadoop Distributed File System)に分散配置し、それぞれのメモリを使って並列処理を行う。ブレードの数を増やすことで、処理能力を向上できるのが特徴だ。

 「SAS Visual Analytics」は、この「SAS LASR Analytic Server」上で稼働する、ビッグデータの可視化ソリューションとなる。各機能にアクセスするためのポータル画面「ハブ」、分析のための事前データ準備を行う「データ準備」、実際の分析を行う「エクスプローラー」、レポートやダッシュボードを設計する「デザイナー」、分析結果をiOS端末で閲覧できる「モバイルBI」といったコンポーネントで構成される。

 最大のメリットは、「エクスプローラー」に実装された「自動チャート化機能」。取り込んだデータ項目(拠点名、製品名、日付、売上、利益など)をチャート表示領域へドラッグ&ドロップするだけで、データタイプや項目数に応じて最適なチャート(棒、線、ヒストグラム、散布図など)が自動的に表示される。チャートは一画面に複数表示することができ、そのレイアウトもドラッグ&ドロップで柔軟に調整できる。また、その場で「製品タイプ→製品ライン→工場→製造ライン→工程」といったドリルダウンが即座に行える。

データ準備エクスプローラー

デザイナーモバイルBI

エクスプローラー画面例。データ項目をドラッグ&ドロップするだけでさまざまなチャートが作成できる地図上で拠点ごとのビジネス状況をバブルでプロットし、地図上でドリルダウンも可能

モバイルBIの画面例。iPadで分析レポートの閲覧やドリルダウンが可能

 ビジネス開発本部 Information Management&Analyticsグループ担当部長の畝見真氏は「インメモリ技術を活用し、大量データに対する分析をアドホックに、ビジュアルに、容易に、超高速で実行し、その結果をモバイル環境で共有できるハイパフォーマンスデータ探索製品」と「SAS Visual Analytics」を説明している。

 価格は、8ブレードの最小構成で2000万円から。

 今後のロードマップとしては、2012年後半に日本語版をリリースするほか、「SAS High-Performance Analyticsアプライアンス」として、TeradataおよびEMC Greenplumに対応した製品をリリース。インメモリ・プロセッシング技術により、TeradataやGreenplumの有する超並列処理能力をフルに活用し、超高速なビッグデータ分析を実現するという。そのほか、「モバイルBI」におけるAndroid対応をはじめ、数多くの機能を追加する予定だ。

 「SAS Visual Analytics」の基盤となる「SAS LASR Analytic Server」においても、「特に今後の主力テクノロジーに位置づけ、今後提供する予定の業務別・業種別ソリューションの新バージョンにも対応させていたく予定」(同氏)。具体的には、2012年第2四半期に「High-Performance Retail Planning」「High-Performance Revenue Optimization」を、第3四半期に「High-Performance Data Mining」「High-Performance Risk」を、そして第4四半期に「High-Performance Marketing Optimization」をリリースする予定だ。

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