横河医療やNTT西日本ら3社、医用画像のクラウド保管サービス
横河医療ソリューションズ株式会社(以下、横河医療)、西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)、NTTスマートコネクト株式会社は15日、医療機関向けクラウドサービスの提供に向けて協業することに合意した。協業の第1弾として、4月中旬から、医療機関においてCTやMRIで電子的に撮影された医用画像データをデータセンターで保管するサービスを販売する。
昨今、医療分野においては病気の早期発見・治療、地域医療連携などの重要性が高まっている。医療機関においても、医療情報のデジタル化によりICTの管理業務負荷が増大するなど課題は多数。東日本大震災では、医療システム上の患者データが消失し、その後の医療業務が困難になるなど、BCPの必要性も浮き彫りとなった。
このような背景の下、大学病院や地域中核病院を中心に300以上の医療系システム導入実績を持つ横河医療と、ネットワークやデータセンターを活用したシステム構築にノウハウのあるNTT西日本グループが、医療機関向けクラウドサービスの開発・提供で協業し、安心な医療の実現、患者サービスの向上に取り組んでいく。
協業の第1弾として、これまで医療機関内に設置されたサーバーに保管されていた、CTやMRIなどの医用画像データをデータセンターで保管するクラウド型サービスを提供する。活用効果としては、データセンターを活用することによるデータ保管の信頼性向上、医療機関におけるシステム運用負荷の低減が見込まれる。データの保管容量は必要に応じて柔軟に拡張可能で、異なるデータセンターへのバックアップも行う。また、頻繁に参照する医用画像データは、医療機関内のサーバーから高速に参照することも可能という。
価格は個別見積もり。
今後は、遠隔読影(緊急・在宅含む)基盤システムのサービス化によって地域医療連携の活性化、読影医師の負担軽減に貢献。また、医用画像関連業務・システムのアウトソーシング化によって、医療従事者の負担軽減につながるサービスを検討していく。さらに将来的には、蓄積した情報を活用した画像・医療情報交換のための地域医療ハブ機能の提供や、患者個人の健康情報を集約した健康ポータル、コミュニティクラウドとしての可能性も模索する方針。