シトリックス、導入コストの最適化やモバイルでのユーザビリティを向上した「XenDesktop 5.6」
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は15日、仮想デスクトップソフトの新版「Citrix XenDesktop 5.6」を発表した。
XenDesktopは、Windowsの仮想デスクトップ環境(VDI)をサーバー上に構築し、オンデマンドに利用できるようにするソフト。データセンターにユーザーのデスクトップ環境を集約しているため、ユーザー個々の端末環境に左右されないシンクライアント環境を提供できるという。
新版では、「Personal vDisk」機能により、VDIにおける各ユーザーの柔軟な個別要件対応とコストの抑制を両立できるようになった。
通常、VDIではユーザーごとにシステムイメージと仮想マシンを割り当て、ユーザーは各自が利用するアプリケーションやデータ、カスタマイズ情報をシステムイメージ内に保存することで、自分専用の仮想デスクトップ環境を利用する。
しかし「Personal vDisk」では、共通のシステムイメージを全ユーザーの仮想マシンに展開すると同時に、ユーザーごとのアプリケーションやデータ、カスタマイズ情報の保存を行う。仮想マシンは必要な時、あるいは事前に一定数を作成できるが、使用終了時にはシステムイメージがデフォルトに戻り、1つの標準イメージを運用保守するだけですむため、VDIとしてのユーザビリティを確保しつつストレージの必要容量を抑えることが可能。VDI導入時のストレージコストを最大65%削減できるとした。
また、一般的なWindowsアプリケーションはキーボードとマウスの利用を前提としているので、モバイルデバイスからは必ずしも快適に利用できるとは限らない。これに対応するため、今回は、XenDesktop 5.6に包含されるアプリケーション仮想化機能「Citrix XenApp 6.5」、ならびに「XenApp 6.5 Mobility Pack」により、モバイルデバイスで使いやすいユーザーインターフェイスを提供できるようにした。Windowsアプリケーションがタッチフレンドリーなモバイルアプリケーションに生まれ変わるほか、ユーザーはモバイルデバイスのディスプレイサイズにフィットした画面を使用できるという。
なお、こうしたモバイル対応のために、仮想化された既存のWindowsアプリケーションからモバイルデバイス固有の機能を使用できるようにする無償開発キット「Citrix Mobile Application SDK for Windows」も提供される。
Citrix XenApp 6.5 Mobility Pack導入後【左】は、従来【右】と比べてモバイルデバイスに最適化された画面で利用できるという |
加えて今回の新版では、日本マイクロソフトの統合管理ソリューションであるSystem Center Configuration Manager 2012、System Center Virtual Machine Manager 2012との連携を強化。より大規模な仮想デスクトップシステム環境であっても、物理マシンとあわせた統合管理を容易に行えるようにする。
このほか、仮想アプリケーションと仮想デスクトップを集約し、オンデマンドでの配信を可能にする「CloudGateway Express Edition」、ハードウェアの互換性を改善したクライアントハイパーバイザーの新版「Citrix XenClient 2.1」も提供されるとのこと。