アイル、「DRBD Proxy」で東京・大阪間約16TBのバックアップを実現


 株式会社サードウェアは12日、基幹システム「アラジンオフィス」の開発・販売を手がける株式会社アイルに、東京・大阪間で各8TBの相互リモートバックアップを実現するディザスタリカバリ(DR)システムを納入したと発表した。

 アイルではこれまでにも「アラジンオフィス」のカスタマイズ情報などを社内でバックアップしていたが、東日本大震災が契機となって、東京本社と大阪本社の間で相互にデータをバックアップするDRシステムの導入を決めた。

 要件として挙がっていたのは、「各8TB程度までの容量をサポートできること」「正常にバックアップできていることを簡単に確認できること」「リーズナブルなコストで導入できること」の3点。

 これらを基にさまざまなストレージ製品を比較した結果、サードウェアのDRシステムが採用された。同システムでは、DRBD Proxyをベースとし、約16TBの領域を確保した。DRBD Proxyでは、最大1PBの領域を分割せずに運用することが可能で、また管理領域も無視できるほど小さいものになっているため、用意したストレージ領域をそっくり有効活用できたという。

 定型のバックアップ作業は夜間バッチ処理で実施。非定型的に発生するバックアップニーズにも対応できるよう、ファイルサーバー機能(Samba)も搭載する。また、東京・大阪のデータが相互に正しくコピーされているかを核にするために、リモートバックアップ先のディスク内容をいつでも確認できる点も要件にマッチ。加えて、同等機能を備えた他製品が1000万円を超えるのに対し、同システムの導入コストは合計400万円以下で済む点も特長という。

 サードウェアでは、今回の事例によって、東京・大阪間でも10TBを超える大容量のリモートバックアップの実用性が裏付けられたとし、今後同様のニーズを抱える企業に向けて同システムの普及を図っていく方針。

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