富士通、アライアンスクラウド準拠のハイブリッド基盤を大和総研向けに構築
富士通株式会社は21日、アライアンスクラウドを採用したハイブリッドクラウド基盤を、国内で初めて構築したと発表した。株式会社大和総研向けに構築されたもので、11月より運用を開始している。
アライアンスクラウドとは、「アライアンスクラウド推進ソサエティ」において標準化が進められている、基幹系システムにも適用可能なクラウド環境標準。特定ベンダーに依存しない多種多様な機器、ソフトの組み合わせの検証を行っており、可用性や信頼性などの定められた要件を満たすシステム構成を、標準モデルとして認定しているという。
今回富士通では、同社の館林システムセンター内にx86サーバー「PRIMERGY」、ストレージシステム「ETERNUS」などをインテグレーションし、アライアンスクラウド準拠の基盤を構築した。大和総研ではこの環境と、自社データセンター内に構築された同一仕様のクラウド基盤とをネットワークで結び、ハイブリッド型のクラウド運用を可能にしている。
大和総研では、この2つの基盤を仮想デスクトップ環境などさまざまな用途に活用し、ICTリソースの効率化や最適化を進める意向。まずは、1600台の仮想デスクトップ環境を構築する準備を整えており、順次運用を開始する。用途としては、高度なセキュリティに対応した中国でのオフショア開発から、国内の社員利用まで幅広い範囲に適用される計画だ。
なお館林システムセンター内に構築されたクラウド基盤については、必要なリソース単位ごとに従量課金でサービスを提供する「クラウドオンデマンドサービス」を採用しているので、大和総研は、基本料金と従量料金の組み合わせで利用コストの効率化が図れるとのこと。
一方、富士通ではこの基盤の構築実績をモデルに、プライベートクラウド市場や多様化するハイブリッドクラウドのニーズに対応し、新たなサービスやソリューションを提供するとしている。