富士通、解析シミュレーションの計算環境などを提供するクラウドサービス
富士通株式会社は5日、解析シミュレーションのクラウドサービス「TCクラウド」として、解析シミュレーション実行用の計算環境を提供する「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス」「解析プラットフォーム・サービス・ハイパフォーマンスクラス」と、解析シミュレーション業務を支援する「解析ヘルプデスク」を発表した。いずれも、同日より販売を開始する。
「TCクラウド」は、解析シミュレーションをクラウド上で提供するサービス。このうち「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス」は、32並列程度までの中規模の並列計算に適した、解析シミュレーション実行用の計算環境を提供する。クラウドの利点を生かし、最小1ノード、1カ月から利用可能で、ハードウェアやミドルウェアなどの運用保守を含んだサービスのため、わずらわしい運用保守の作業は不要。変動する解析需要に応じて計算資源のタイムリーな増減を行えるので、計算資源への投資の最適化や、急な解析需要への柔軟な対応が可能という。
また、各種操作を行うためのポータル画面(GUI)が用意されており、ユーザー認証、解析ジョブの実行や管理、入出力ファイルの管理、利用状況や課金明細の表示などを、ポータルから一元的に操作できるとのこと。
このほか、解析のプレ処理やポスト処理を実行するため、クラウド上のデスクトップ画面をユーザーの端末に転送する「プレポスト環境利用サービス」、大容量の解析結果など、ネットワーク経由でのファイル転送が困難なデータを、可搬式HDDなどに格納し配送「データ配送サービス」をオプションとして用意した。
価格は、基本サービスが月額38万円(税別)から、プレポスト環境利用サービスが月額16万5000円(税別)から、データ配送サービスが1回あたり4万2000円(税別)。
2つ目の「解析プラットフォーム・サービス・ハイパフォーマンスクラス」は、大規模な並列計算に適した、高速ネットワークで接続されたHPC環境を提供するサービス。こちらは、顧客企業のニーズに応じて、個別に対応を行う。
なお、両「解析プラットフォーム・サービス」においては、非線形動的構造解析ソフト「LS-DYNA」、板成形加工解析「eta/DYNA FORM」、電磁波解析ソフト「Poynting」、計算化学統合プラットフォーム「SCIGRESS」などが利用できる。
最後の「解析ヘルプデスク」は、これまでのソリューション提供を通じて富士通が蓄積してきたノウハウを生かし、解析シミュレーションを行う際の導入や運用の支援、教育などを行うもの。
具体的なメニューとしては、解析専門スタッフが、解析モデルの作成、ソルバの実行、解析結果の可視化などの解析業務を代行するサービス「受託解析サービス」、富士通が提供する解析アプリケーションについて、操作実習や事例解説などの導入教育を実施する「教育サービス」、ISVのソフトなどを解析プラットフォーム上にセットアップする「導入支援サービス」、解析プラットフォーム上で解析アプリケーションを利用する際の問題解決を支援する「運用支援サービス」などが提供される。価格は個別見積もり。