日本ユニシスとkm、クラウド型タクシー配車システム「smartaxi」


 日本ユニシス株式会社とkmホールディングス株式会社(以下、km)は28日、スマートフォンを利用したクラウド型タクシー配車システム「smartaxi(スマートタクシー)」を開発したと発表した。ケイエム国際タクシー株式会社での実用化検証を経て、本番稼働を開始しているという。

 smartaxiでは、タクシー無線ではなく携帯電話回線を使用し、車載端末には汎用的なスマートフォンを採用するのが特徴で、不感地帯が非常に少ない点がメリット。全国どこでもつながるため、独自に配車センターを抱える必要がなく、配車業務のアウトソースも可能になるという。

 また設備面では、アンテナや車両に搭載する無線送受信機、カーナビ専用機などが不要なほか、配車センター側のシステムも、サーバーなどのリソースを必要としないSaaS型サービスで提供しているため、従来の配車システムに比べ、初期導入費用を削減できるとした。

 さらに車載スマートフォンのGPS情報はリアルタイムで配車センターに送信され、車両の位置が地図上で表示される仕組みを提供。オペレーターは、タクシー利用者の現在位置から一番近い車両を自動で配車できる。加えてクラウド基盤上のシステムには、さまざまなオプション機能を追加可能で、機能を常に追加していけることから、使い勝手の向上も見込めるとのこと。

 一方、乗客には、日本ユニシスのタクシー利用者向け「スマートフォン配車アプリ」を提供し、一番近くにいるタクシーを容易に呼べるようにする。なおこのアプリではオペレーターを介さずに配車されることから、迅速な配車を実現としている。

 日本ユニシスは今後、全国のタクシー事業者を対象にsmartaxiの拡販を行い、5年間で20億円の売り上げを目指す。また既存サービスの「無事故プログラムDR(ドライブレコーダー)」や電気自動車(EV)/プラグインハイブリッド車(PHV)向け充電インフラシステムサービス「smart oasis」との連携なども見据え、交通機関向けクラウドサービスとして拡充していく。

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(石井 一志)
2011/11/29 06:00