ネットワールドがVDI移行支援ツール群を発売、米Liquidware製


 株式会社ネットワールドは7日、米Liquidware Labsと販売契約を締結。同社の仮想デスクトップ環境(VDI)マイグレーションツール群を発売した。物理PCから仮想デスクトップへの移行を促進する製品で、アセスメントツールは無償、移行ツールは980円(税別)/ユーザーで提供する。

 VDIへの移行にあたっては、物理PC環境の各ユーザーがVDI環境でどれだけコンピュータ資源を必要としているかを正確に把握し、移行時に必要なシステムをサイジングする必要がある。また、物理PCのユーザープロファイルやデータの移行・修正作業や、新規での仮想デスクトッププロファイル設定・修正・展開もほとんどが手作業で行われ、多大な手間となっていたという。

 Liquidwareのツール群は、こうしたVDIへの移行において、現状の物理PC環境を分析・サイジングし、仮想デスクトップへのプロファイル・データ移行を支援する。新規の仮想デスクトップに対してもプロファイルの設定・修正・展開作業が効率よく行える。加えて、VDI展開後のユーザーエクスペリエンスをモニタリングすることも可能なトータルソリューションとなっている。

 具体的には3つの製品から構成される。

 1つ目が、アセスメントツールの「Stratusphere Fit」。既存の物理PC環境における「CPU利用率」「メモリ使用率」「ストレージ使用量」「ネットワーク遅延」「グラフィックス性能」「ディスクIOPS」「アプリ使用率」などの項目をモニタリングし、VDI環境に適したユーザーやPCの格付けや、移行時に必要なシステムリソースなどのレポートが作成できる。

 2つ目が、移行ツールの「Profile Unity」。物理PC環境のユーザープロファイルやデータをエージェントレスでVDIに移行し、移行したプロファイルの修正もサポートする。また、移行ではなく新規に立ち上げる仮想デスクトッププロファイルの作成・展開も支援。ショートカットの作成、ドライバのマッピング、プリンタ作成、使用アプリのユーザー設定、Outlookの設定といったプロファイルをVDIごとに作成し、管理・自動展開できる。

 VDIプラットフォームとしては、Citrix XenDesktopとVMware Viewをサポートし、さまざまなWindows OS間でプロファイルの互換性を確保。データ移行にも利用でき、ソフトとハードの資産管理機能も備える。

 3つ目が、ユーザーエクスペリエンス・モニタリングツール「Stratusphere UX」。移行したVDIのパフォーマンスをアプリごと、ユーザーごとにモニタリングし、基準に満たない仮想デスクトップを特定する。これを基に環境をチューニングすることで、最適なVDIを構築できる。

画面例

 このうち、アセスメントツールの「Stratusphere Fit」については、Webサイトから申し込み、審査を通った顧客に対して、11月7日より無償提供を開始する。

 移行ツール「Profile Unity」は有償となるが、通常ライセンスのほか、ユーザーあたり980円(税別)の90日間期間限定ライセンスも提供する。SIerやエンドユーザーが移行作業プロジェクト、あるいは新規に仮想デスクトッププロファイルを作成・展開する際に、作業にかかる期間を考慮し、より低価格で導入できるようにしたライセンス形態となる。

 モニタリングツール「Stratusphere UX」については価格未定。

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(川島 弘之)
2011/11/8 06:00