ベリサイン、オンライン詐欺検出サービス新版~分析力を向上


 日本ベリサイン株式会社は1日、インターネットバンキング不正振込などのオンライン詐欺を検出するサービスの新版「VIP FDS 4.0」の提供を開始した。

 VIP FDSは、インターネット上に公開されたサービス(オンラインバンキングやECサイトなど各種会員Webサイトなど)や、ATMを使ったなりすましによる詐欺や資金洗浄(マネーロンダリング)を防止するための、サービス提供者用の高度認証サービス。

 利用者の行動パターン分析を元に検出し不正を防ぐ「リスクベース認証」を採用し、利用者がソフトウェアをインストールしたり、トークンを利用したりすることなく、各種オンライン詐欺を防止できる。

 新版では、詐欺検出ルールを書いた複数のポリシー間で値やデータを共有できる「Global Context機能」を搭載。複数のポリシーを効率的に組み合わせて利用可能となった。

 また、時間列での分析力を強化。例えば少額の資金移動を何度もしているといった時系列での分析が必要な取引についても、より効果的に検出できるアルゴリズムを採用した。トランザクション履歴そのものが少なく、参考となる行動パターンがあまり蓄積されていないユーザーについても細かく分析できるよう強化した。

 そのほか、管理コンソールにおけるパスワード管理機能を強化し、安全性や監査対応を向上したほか、レポート機能を強化し、新たに6つのレポート形式を追加した。

 ベリサインによれば、2011年6月~7月にインターネットバンキングを利用した金融取引で、預金が無断で引き出されたり送金されたりする被害が複数件起きているという。

 こうした状況を踏まえ、株式会社シグマクシスと協業して、金融庁の「疑わしい取引に関する参考事例」に対応したオンライン金融不正取引防止コンサルティングサービスの提供も開始する。

 同サービスでは、VIP FDS導入金融機関に向けて、金融犯罪に対する知見や銀行業務における豊富な実績を持つというシグマクシスのノウハウを組み合わせることで、さらなるリスク低減を支援する。

 具体的には、ベリサインがサービス基盤の提供、過去アクセスデータ解析、世界の不正アクセス情報の提供、介入判定とリスクレーティングや重み付け、パフォーマンスチューニング、モジュールの提供を実施。シグマクシスが実害防止のための業務設計支援、稼働後の取引実態に対応したシナリオチューニングなどのコンサルを行う。

 通常オンラインによる不正取引防止には専用のシステム検証環境が必要となるが、同サービスにおいてはシナリオチューニングをベリサインのクラウドデータセンターで実施できるため、金融機関におけるシステム導入、運用負荷も軽減できるという。

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