SAPジャパン、EPMソリューションの最新版を発表~BO製品との統合/連携を強化


SAP BO EPMの位置づけ
SAP BO EPM 10.0の特徴

 SAPジャパン株式会社は21日、経営管理ソリューションの最新版「SAP BusinessObjects Enterprise Performance Management 10.0(以下、SAP BO EPM 10.0)」の提供開始を発表した。

 SAP BO EPMは財務管理やパフォーマンス管理、およびそれらの連結を支援するソリューション。新バージョンではユーザーインターフェイスの統合や他のBO製品との連携強化が図られており、各種データの収集から財務情報の開示までの連結決算プロセス包括的に行うことが可能になっている。SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション営業統括本部 経営管理ソリューション営業本部 本部長 IFRS支援室 室長 桐井健之氏は「経営管理ソリューションにもスピードが求められる時代。本製品はIT部門よりも財務/経理部門の業務ユーザーのお客さまをターゲットにしており、経営環境の変化にもリアルタイムで対応できる」と語る。

 今回提供が開始された製品は以下の通り。

  • SAP BusinessObjects Financial Consolidation 10.0
  • SAP BusinessObjects Intercompany 10.0
  • SAP BusinessObjects Financial Information Management 10.0
  • SAP BusinessObjects Profitability&Cost Management 10.0
  • SAP BusinessObjects Strategy Management 10.0
  • SAP BusinessObjects Planning&Consolidation 10.0 for Microsoft
  • SAP BusinessObjects Planning&Consolidation 10.0 for NetWeaver

 Financial Consolidation、Intercompany、Financial Information Managementは2011年第3四半期中に、それ以外は2011年第4四半期の発売となる。

ソリューション統括本部 Finance LoB マネージャー 多川健太郎氏

 ソリューション統括本部 Finance LoB マネージャー 多川健太郎氏はSAP BO EPM 10.0の特徴として、「統合性(Unified)」「網羅性(Comprehensive)」「拡張性(Transformational)」の3つを挙げる。特に強調するのがユーザーインターフェイスの統合による操作性の大幅な改善で、BO EPM製品内で共通のインターフェイス(Web/Office)を利用できるようになっている。また、SAP ERPやNetWeaverとの連携も強化されており、例えばEPM上でアラートが出た場合、ERPにデータをさかのぼってドリルバックすることなども可能だ。


統合性では、ユーザーインターフェイスが統一され、使い勝手が向上網羅性が向上拡張性では、インメモリ技術が活用され、大量データ処理が高速化した。モバイルデバイスにも対応している

 また、特定のインダストリや業務向けに、業種/業態にあったReady-to-useのテンプレートである「Rapid Deployment Solutions」も提供される。

決算開示にも対応

 今回のリリースでもうひとつ新たに加わった特徴は決算開示への対応だ。これまでSAP BO EPMには決算開示のためのソリューションがなかったが、開示業務向けの「Disclosure Management」が加わったことで仕訳計上から決算開示までの企業会計のプロセスをend-to-endでサポートする。開示資料をXBRLで作成することも可能になっている。

 SAPが現在注力しているインメモリソリューションとの連携も強化されており、iPadなどのモバイルデバイス上でEPMデータを閲覧するだけでなく、高速な分析を行うこともできる。多川氏は「今回の製品はインメモリ前提ではないが、今後はインメモリ(HANA)に特化したEPMの展開も考えられる」としている。

 桐井氏は「EPMに対する興味/関心がこれまでになく高くなっている。グループ企業を多く抱えていたり、積極的に買収を行ったりしている企業の場合、“四半期でいったんビジネスを締めてから個社ごとの様子をみる”などというのんびりしたことができなくなってきた。買収した企業やグループ会社の会計情報もリアルタイムで閲覧/分析したいというニーズが強まってきているのを感じる」と語り、SAPジャパンとしてもそういった顧客層にアプローチするべく、経理/財務部門の業務ユーザーに直接営業する専任部隊を立ち上げたことを明かす。今後はEPMで実績をもつパートナーとの連携にも力を入れていくとしている。

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