CA、不正行為防止と認証のソリューション~クラウドサービスでも提供


マーケティング本部 プロダクトマーケティング マネージャーの金子以澄氏

 CA Technologiesは2月23日、ソフトウェア・ベース認証ソリューション「CA Arcot WebFort」と不正行為防止ソリューション「CA Arcot RiskFort」、およびこれら2つのソリューションをクラウドから提供する「CA Advanced Authentication Cloud Service」を発表した。すべて本日より出荷開始される。

 同社では、2010年8月、クラウド戦略の強化とアイデンティティ/アクセス管理分野の拡充を目的に、ソフトウェア・ベース認証と不正行為防止リューションの大手プロバイダであるArcot Systems社を買収している。今回の新製品は、このArcot Systems社の技術をベースとしたもので、日本市場に初投入されるセキュリティ・ソリューションとなる。

 マーケティング本部 プロダクトマーケティング マネージャーの金子以澄氏は、「従来までの業務アプリケーションは、企業内ネットワークからのアクセスを管理するだけでよかった。しかし、最近では、クラウドサービスやモバイル端末などを経由した企業外ネットワークからのアクセスが増加しており、業務アプリケーションへのアクセス経路が非常に複雑化しているのが実情だ。これに対して当社では、現行の企業内IAMをクラウドまで拡張する『TO THE CLOUD』、クラウドプロバイダのためにIAMを提供する『FOR THE CLOUD』、IAMサービスをクラウドから提供する『FROM THE CLOUD』という3つのアプローチでIdentity Access Management(以下、IAM)戦略を展開し、クラウド・セキュリティを実現するさまざまな製品群を提供している」と、同社の推進するIAM戦略の概要について説明。

IAM戦略のフレームワーク

 「IAM戦略の3つのアプローチのうち、『TO THE CLOUD』と『FOR THE CLOUD』は、すでに製品ラインアップがそろっているが、『FROM THE CLOUD』については今までコンセプトのままで、具体的な製品を発表できていなかった。今回発表する新製品は、この『FROM THE CLOUD』を埋めるものであり、不正行為防止・高度認証ソリューションをサービスとしてクラウドから提供する」と、新製品のリリースによってIAM戦略のフルラインアップがそろったという。

 新製品の「CA Arcot WebFort」は、幅広い強力な認証機能をソフトウェア・トークンとして提供するソリューション。高価なハードウェアを用意することなく、ソフトウェアによる低コストで高度な認証強化を可能にする。ユーザーは、使い慣れたサインオン・プロセスをそのまま利用できるため、ユーザーやヘルプデスクへの負担、さらには運用コストの低減も実現する。また、iPhone、iPad、その他スマートフォンを認証デバイスとして使うことが可能となっている。

 「CA Arcot RiskFort」は、リスクベースの認証により、アイデンティティ情報の盗用やオンライン詐欺に対してリアルタイム保護を実施するソリューション。疑わしい行為のデバイスを切り分けるDeviceDNA機能や、ユーザーが独自に設定したルールによるマルチチャネルのリスク評価および不正行為検知によって、対象となるユーザーに負担をかけることなく、スムーズに不正行為を検知し被害を未然に防止することができる。

 これら2つのソリューションを、同社の統合認証基盤ソリューション「CA SiteMinder」と統合することで、強固なセキュリティ基盤を構築することができ、不正アクセスから統括的にユーザーを保護することが可能となる。

 また、両ソリューションとも、オンプレミスへの導入に加え、クラウド環境からの利用を可能にするクラウド・ソリューション「CA Advanced Authentication Cloud Service」を提供する。同サービスを利用することで、ハードウェアやソフトウェアをオンサイトでインストールする必要がなくなるため、コストおよび管理オーバーヘッドの削減を図ることができる。

セキュリティ&VSAソリューション営業部 部長の古場達朗氏

 新製品の販売戦略についてセキュリティ&VSAソリューション営業部 部長の古場達朗氏は、「販売ターゲットとしては、金融・テレコムを中心に、ITサービスや官公庁に注力して拡販展開していく。アプローチは企業規模に応じて変えていき、中堅から大手企業にはCA直販によるハイタッチ営業とパートナー直販を推進する。中小企業には、パートナー企業のデータセンターからのサービス提供を行う」との方針を示した。

 さらに、「今後のビジネス拡大にはパートナーとの協業強化がポイントになる」として、無償トレーニングによるエンジニア育成の加速、セールスツールや技術情報の拡充、共同でのセールスプロモーションなど、パートナー支援策の強化・拡充も図っていくという。

新製品の販売ターゲットパートナー支援施策

 新製品の価格は、「CA Arcot WebFort」が1万ユーザーの場合2200円/ユーザー、「CA Arcot RiskFort」が同1700円/ユーザー。クラウド・ソリューション「CA Advanced Authentication Cloud Service」の利用料金は、CA Arcot WebFort機能が1万ユーザーの場合、月額92円/ユーザー、CA Arcot RiskFort機能が同 月額67円/ユーザーとなる。

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(唐沢 正和)
2011/2/24 06:00