スマートフォンの自社専用アプリを安全に配信する「Smart AirPort」


 リアルコム株式会社は31日、SaaS型の企業向けスマートフォンアプリ配信・管理サービス「Smart AirPort」を発表した。4月初旬より販売する。

 Smart AirPortは、スマートフォン向けの「自社専用アプリ」を安全に配布するSaaS型サービス。同社によれば、スマートフォンを業務で利用する際、新たなアプリの配布やバージョンアップには、安全性や効率性の面でさまざまなリスクが伴うという。

 例えば、自社専用アプリをApp Storeで配布すると、第三者でも入手できてしまう。自社専用アプリにキーワードを埋め込み、起動自体にパスワード認証をかけることも可能だが、それでも第三者が入手できてしまうのは問題だ。

 また、iTunesを起動するために手元にPCを用意したり、1台ずつ手作業でインストールしなければならない手間の問題があれば、OTA(Over-The-Air)方式を利用する際にセキュアな無線LAN環境を用意しなければならないなど、ネットワークの問題もある。

 さらに、App Storeから配布して自由にインストールさせる運用では、業務利用を許可していない社員の端末にもアプリがインストールされるリスクも存在する。

 Smart AirPortは、運用負荷の少ないOTA方式を利用しつつ、ワンタイム認証やSSL証明書によりセキュリティを担保したまま上記の問題を解決するもので、App Storeを介さずに、SaaS基盤から、社内の適正な従業員のみにアプリを配布できる。

 具体的には、企業の管理者が自社専用アプリをSmart AirPortに登録し、従業員にリリース通知をメールで送る。メールには、アプリやSSL証明書、プロファイルを個別に配信するために、特定の端末に対して1回だけダウンロードできるアクセスパス(URL)が記載されており、従業員はここからアプリや証明書をインストールする。これにより、第三者による入手や管理外の端末へのダウンロードを防止できる。管理者は、誰がインストール済みかを管理画面から確認することも可能だ。

利用イメージ

 対象は、スマートフォンを導入・検討している企業、自社専用アプリを開発・利用している企業。企業規模は問わない。当初はiPhone/iPad(iOS 4.2以上)向けにサービスインし、順次、Android向けにも拡張する予定。契約は6カ月単位で行え、初期費用が21万円、月額費用が1万500円(20ユーザー以下)、あるいは5万2500円(100ユーザー)から。別途、AppleのiOS Developer Enterpise Licenseへの加入が必要となる。

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(川島 弘之)
2011/1/31 17:24