マカフィー、包括的なセキュリティSaaSポートフォリオを発表


 マカフィー株式会社は1月26日、独自のクラウド技術「Global Threat Intelligence」(以下、GTI)を活用した包括的なSaaS型セキュリティ製品ポートフォリオを発表した。

 今回のポートフォリオは、エンドポイントプロテクション製品「McAfee SaaS Endpoint Protection」、メールセキュリティ製品「McAfee SaaS Email Protection」、Webセキュリティ製品「McAfee SaaS Web Protection」の大きく3つのSaaSソリューション群で構成され、メールおよびWebプロテクションから、メールアーカイビングサービス、メール継続サービス、エンドポイントプロテクション、脆弱性管理まで、大半のセキュリティ分野をカバーしている。

マーケティング本部長の安藤浩二氏クラウドを包括するマカフィーの戦略「McAfee 3.0」

 新ポートフォリオの発表にあたり、マーケティング本部長の安藤浩二氏が、企業向け製品戦略について説明。「従来のシステム製品やアプライアンス製品は、市場成長率が低く、飽和状態になっているのが現状。そのため、グローバルレベルの情報と統合ソリューションの提案・推進によりマーケットシェアを高く保ち、継続して利益を上げていく必要がある。一方、市場成長率の高いSaaS、モビリティ製品については、日本語対応製品の市場投入を急ぎ、国内でのラインアップを拡充させる。併せて、パートナー戦力化を早期に進めるための施策を展開していく」と述べた。

 この戦略の中で、特に注力している領域がSaaSソリューション分野で、「今回の新たなポートフォリオにより、エンドポイントプロテクション製品に加えて、ネットワークセキュリティ製品も、クラウド技術を基盤にしたSaaSソリューションとして提供できる“McAfee 3.0”の体制が整った。今後は、このポートフォリオを、当社の提案する統合ソリューションの中に位置づけ、オンプレミス型とSaaS型、両方のニーズに対応できるラインアップをそろえていく」との考えを示した。

「McAfee SaaS Endpoint Protection」の特徴クラウド上の統合管理コンソール

 ポートフォリオを構成する各SaaSソリューションの特徴としては、まず、エンドポイントプロテクション製品「McAfee SaaS Endpoint Protection」では、アンチウイルス・アンチスパイウェア、バッファオーバーフロー対策、全自動アップデート、レピュテーションベースのリアルタイムマルウェア対策、デスクトップファイアウォールなどの機能を提供。運用管理は、クラウド上の統合管理コンソールから一元的に行うことができる。機能強化版として、カテゴリによるWebサイト閲覧の制限機能を追加した「McAfee SaaS Endpoint Protection Advanced」もラインアップしている。

「McAfee SaaS Email Protection」の特徴スパム隔離レポートメール

 メールセキュリティ製品「McAfee SaaS Email Protection」は、20を超えるスパム/ウイルス判定エンジンにより、クラウド内におけるインバウンドおよびアウトバウンドのメールトラフィックをフィルタリングする。また、ウイルスやワームの侵入を防護し、スパムをブロックして怪しいメッセージを隔離するなど、アウトバウンドのメールをフィルタリングすることで機密情報の流出を防ぐ。機能強化版として、停電時にクラウド内でメールを自動処理するメール継続機能を追加した「McAfee SaaS Email Protection & Continuity」をラインアップするほか、リアルタイムの自動メールアーカイビング機能を提供する「McAfee SaaS Email Archiving」もリリースする予定。

「McAfee SaaS Web Protection」の特徴

 Webセキュリティ製品「McAfee SaaS Web Protection」では、「GTI」のクラウドベースによるURLフィルタリング機能を提供し、マルウェアを始めとするWebベースの脅威から保護する。100以上のコンテンツカテゴリ管理が可能で、コンテンツ解析によってマルウェアの動的な変化にも対応できる。また、レピュテーションベースのテクノロジにより、セキュリティポイントをリアルタイムで強化する。

マーケティング本部 プロダクトマーケティング部長の近藤学氏

 マーケティング本部 プロダクトマーケティング部長の近藤学氏は、今後の製品戦略について、「OEMを含めた、大規模な拡販展開を実施することを計画している。これにより、今以上に販売チャネルを増やし、幅広いユーザーにSaaS型ソリューションを提供していく。さらに、現在のラインアップに加え、アーカイブ機能やアプライアンス製品とのハイブリッド構成など、ユーザーからの多様なニーズ、インプリメンテーションに対応するソリューションを展開し、SaaS市場のさらなる拡大を目指す」としている。

 なお、エンドポイントプロテクション製品の「McAfee SaaS Endpoint Protection」と「McAfee SaaS Endpoint Protection Advanced」は、すでに提供開始しており、価格は、「McAfee SaaS Endpoint Protection」が1ノード8505円(1~25ライセンス)、「McAfee SaaS Endpoint Protection Advanced」が1ノード1万1130円(5~25ライセンス)。

 メールセキュリティ製品「McAfee SaaS Email Protection」「McAfee SaaS Email Protection & Continuity」、およびWebセキュリティ製品「McAfee SaaS Web Protection」については、2月21日から提供を開始する予定。メールアーカイビング機能「McAfee SaaS Email Archiving」の提供時期は未定となっている。


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