日本HP、高密度サーバー「ProLiant DL2000」~2Uサイズ筐体に4台のノードを収容可能


HP ProLiant DL2000 マルチノード サーバー
サーバーノードを手にする、日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー製品本部 Service Provider&HPCビジネス市場開発の中井大士氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は14日、サービスプロバイダ市場向けの高密度サーバー「HP ProLiant DL2000 マルチノード サーバー」(以下、ProLiant DL2000)を発表した。専用筐体内に、独立した複数のサーバーノードを搭載できる製品で、同日より販売を開始する。

 ProLiant DL2000は、サービスプロバイダに特化した高密度サーバー。2Uサイズの筐体に、サーバーノード(2ソケット)を最大4台まで搭載でき、1Uラック型サーバーの2倍の密度を実現している。また、冷却ファンや電源は筐体のみに搭載し、効率的な冷却と電源供給を行うことによって、電力コストも約10%削減できるという。

 サーバーノードは、1筐体に最大4台搭載できる高密度型の「HP ProLiant DL170e G6 1Uノード」(1Uノード)と、最大2台までと台数は制限される代わりに、拡張性を重視した「同 2Uノード」(以下、2Uノード)を用意しており、必要に応じて選択可能。1UノードにはPCI Express x16が標準搭載されるほか、2UノードはPCIライザーカードを3種類から選べ、最大3つのPCIスロットを提供する。

 CPUはXeon 5600番台を採用し、2ソケットで12コア(6コア×2)を実装可能。メモリも最大192GBまで搭載できるなど、「1Uラック型サーバーと遜色(そんしょく)ない性能、拡張性を実現した」(日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー製品本部 Service Provider&HPCビジネス市場開発の中井大士氏)という。

 ディスクについても、SAS/SATA HDDを8基(3.5型HDD)、あるいは16基/24基(2.5型HDD)を搭載できる3種類のディスクケージを用意しており、1Uノードの場合は、3.5型HDDでノードあたり2基、2.5型HDDでノードあたり6基を搭載できる。

 こうした製品が提供される背景には、サービスプロバイダ市場が独自のニーズを抱えていることがある。中井氏は、「多ければ数千台のサーバーを管理しているため、高密度型に対するニーズがある。また、省電力や、電力のコントロールが可能な製品へのニーズがあるほか、管理性も重視される」と、この市場からの要求を説明。これを満たすためにProLiant DL2000を提供するとした。

 電力の調整という面では、筐体内での電力上限値の設定を行え、各ノードの合計電力が設定電力を超えないように、筐体内での電力調整を行える。また管理性では、ディスク、ノードのホットプラグをサポートし、ノードごとに独立したメンテナンスを行えるよう、配慮されているという

 一方で、日本HPにはすでに「ProLiant SLシリーズ」という高密度型の製品が存在する。中井氏は、「特定の用途に特化することでコストパフォーマンスを高める方向性があり、Web系の用途に特化し、最大の効果を得ることを重要視しているのがSLシリーズ。そのためにメモリの搭載量を削ったり、逆にディスク搭載量を増やしたり、といったことを行っている」と、SLシリーズに言及。その上で、「マルチノードサーバーはそれとは異なり、国内ではまだまだ多い1Uサーバーのリプレースをそのままできるよう、1Uサーバーと同等のスペックを満たしながら、高密度などのニーズに応えるものだ」と、両シリーズの差異を説明した。

 価格は、1Uノード構成の場合、Xeon E5620×1、2GBメモリ、3.5型ディスクケージ(HDDは別売)といった構成で99万9600円から。2Uノードの場合は、ほぼ同様の構成で63万4200円から。

ProLiant DL2000の特長

 

オープンソース・エキスパート・サービス for サービスプロバイダーの概要

 また今回は同時に、オープンソースソフトウェア(OSS)の運用支援サービスも発表された。この「オープンソース・エキスパート・サービス for サービスプロバイダー」では、サービスプロバイダのシステムで利用されるOSSに対して、日本HPからの技術支援を提供する。

 特長は、日々変化するサービスプロバイダ内のシステム規模を考慮し、システム単位での契約になる点で、サービスプロバイダは、サーバーが何台であっても、それに左右されずサポートを受けられるという。

 サポート対象は、Cent OSやDebian、Ubuntu Server、FreeBSDといったフリーOSから、Apache、JBoss、Tomcat、memcache、MySQL、PostgreSQLなどのミドルウェアまで、幅広く設定された。価格は367万5000円から。

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