日本HP、ファイルシステムを備えたLTO-5テープライブラリ新製品

アーカイブデータの一覧、ドラッグ&ドロップに対応


EML LTO5 Ultrium3280 FCライブラリの概要
ESL LTO5 Ultrium3280 FCライブラリの概要

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は26日、LTO-5対応の大規模アーカイブ向けテープライブラリの新モデル「HP StorageWorks EML/ESL LTO5 Ultrium3280 FCライブラリ」を発売した。

 LTO-5対応の大規模アーカイブ向けテープライブラリ「HP StorageWorks EML/ESLシリーズ(EML/ESLシリーズ)」に、最新の「LTO5 Ultrium3280 FCテープドライブ」を搭載した新モデル。

 EMLシリーズは、24時間365日運用に耐える高信頼・大規模向けのテープライブラリ。最小71巻~最大505巻まで、ドライブは最大16台まで拡張可能。

 一方のESLシリーズは、テープライブラリ製品の最上位モデルで、最小322巻~最大3546巻まで、ドライブは最大44台までの拡張性を備える。電源および冷却ファンは冗長構成となり、ホットスワップにも対応する。

 LTO5 Ultrium3280 FCテープドライブの搭載により、EMLシリーズでは最大容量1515TB、最大16.1TB/時の転送速度を実現。最上位モデルのESLシリーズでは最大容量10638TB、最大44.4TB/時の高速転送が可能となり、大規模デジタルアーカイブのニーズに応えるパフォーマンスを備えた。

 両モデルとも、テープドライブ/メディア使用状況のモニタリングや、パフォーマンス評価が可能な管理ツール「HP TapeAssure」で管理性を向上できるほか、AES 256ビットのハードウェア暗号化に対応。加えて、LTO-5対応テープバックアップ製品向けの新機能「HP Linear Tape File Syste(以下、LTFS)」もサポートする。


テープでファイルシステムを実現する「LTFS」機能

LTFSの概要
テープ内のデータをWindows Vistaで一覧。画像や動画のサムネイルまで表示される

 LTFSは、テープ上でファイルシステムを実現する機能。LTO-5規格のパーティション機能を活用し、テープメディアをインデックス領域(容量の7%ほど)とデータ領域に分けることで、テープ上でファイルシステムと同等の機能を実現。テープバックアップ用ソフトなしでも、テープ内のデータファイルをフォルダ形式で一覧できる。

 また、テープ内のデータファイルへの直接アクセスにも対応。例えば、映像データのアーカイブをそのまま再生できる。テープ内のデータをフォルダ形式に表示し、そこからドラッグ&ドロップでコピーすることも可能。これらはテープバックアップ用ソフトでも不可能な操作だ。ほとんどHDDのバックアップ・アーカイブと同じような操作性を実現しているのが特長といえる。

 LTFSは、Linux/Mac OS対応ドライバと「HP StorageWorks LTO5 Ultrium3000」などのLTO-5対応の単体テープドライブ製品を、対応ファームウェアにバージョンアップすることで利用できる。まずは単体テープドライブ製品でのみ対応となるが、今回のテープライブラリ新製品でも2010年秋をめどに利用可能となる。

 価格は、EML用ライブラリが1260万円、EML用ドライブが262万5000円。ESL用ライブラリが2462万400円から、ESL用ドライブが367万5000円。いずれも7月26日より販売を開始する。

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