ID連携させたいWebサイトのOpenID/OAuth対応、NRIがSaaSで実現


「Uni-ID RP Express」の利用イメージ

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は21日、OpenIDやOAuthに対応したSaaS型ID連携サービス「Uni-ID RP Express」を発売した。

 近年、通信事業者やポータルサイト事業者などが、OpenIDやOAuthの仕組みを利用し、自社サービス利用時のID情報をほかの外部サイトでも利用可能にする「ID連携」を推進している。エンドユーザーは“いつも使っているID”で複数のWebサイトにログインできる利便性が実現しつつある。

 しかし、ユーザーのID情報をほかの外部サイトへ提供する事業者が増加する一方、そのID情報を活用したサービスサイトを運営するリライングパーティ(RP)事業者は、自社システムにID連携機能を組み込むための手間がかかるといった課題がある。

 これを解決するため、RPとなるために必要なID連携機能をSaaS形式で提供するのが「Uni-ID RP Express」。従来のようにWebアプリケーションにID連携対応ソフトを組み込む「モジュール組み込み方式」ではなく、ID連携機能をシンプルなWeb APIで提供。RP事業者のWebサイトへのコーディングは20行程度で済み、わずか2日程度で導入できるという。

 月額利用料は機能に応じて10万円から。ユーザーは「Uni-ID RP Express」を意識しないで済む、透過的な利用環境を実現するため、スムーズなID連携が可能となる。

 また、ユーザーの属性情報取得やほかのID提供サイトとの連携など機能追加したい際に、「Uni-ID RP Express」側で対応するため、PR事業者側で作業が発生しないのもメリット。

 Web APIには、次期OpenIDプロトコルの「OpenID Artifact Binding 1.0」を採用。独自仕様のWeb APIやモジュールを採用した場合に起こり得る、ベンダーロックインの懸念も払しょくしている。NRIは、この次期OpenIDプロトコルの策定を主導する立場にあり、今後もオープン標準化に貢献していく方針。

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(川島 弘之)
2010/7/21 16:49