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日立、「Lumada 3.0」の強化に向けAnthropicと戦略的パートナーシップを締結
2026年5月19日 13:25
株式会社日立製作所(以下、日立)は19日、社会課題を解決する事業モデル「Lumada 3.0」のさらなる強化に向け、AIの安全性に関する研究と信頼できるAIモデルの提供で、米Anthropicとの戦略的協業を開始したと発表した。
日立は協業の背景として、AI技術はサイバー空間にとどまらず、実世界に直接働きかけるフィジカルAIへと急速に進化しており、これにより、製造・保守、インフラ運営などを支えるフロントラインワーカーの深刻な人手不足や負担増といった社会課題を解決し、実社会における真のDXを推進できる環境が整いつつあると説明する。
日立は、グローバルに展開するIT・OT・プロダクトから得られるデータに、長年培ってきた深いドメインナレッジとAIを掛け合わせ、社会課題を解決するLumada 3.0を推進している。一方で、AIが実社会のインフラや現場に深く入り込むほど、そこには極めて高い安全性と信頼性が不可欠となると指摘する。
今回、その要件を満たし、エンタープライズ領域での豊富な実績を有する先進的なAIモデルClaudeを提供するAnthropicと戦略的パートナーシップを締結することで、Lumada 3.0を体現するHMAXを強化し、現場で働く人々のエンパワーメントを強力に推進していく。
協業により、日立が110年以上にわたり培ってきたドメインナレッジやIT・OT・プロダクトの知見と、Anthropicの先進的なAIを融合することで、電力・交通・製造・金融といった社会インフラの円滑かつ安全な運用に向けた、システム開発・運用の高度化やセキュリティ強化を強力に推進し、顧客と社会のAIトランスフォーメーション(AX)に貢献するとしている。
AnthropicのClaudeが持つ高度なコード生成・解析能力と、日立が持つミッションクリティカル領域でのシステムエンジニアリング力を融合させることにより、顧客のシステム開発・運用の効率と品質の向上を実現する。これにより、変化の激しい市場環境において、顧客の迅速な新サービス立ち上げやデータ主導のビジネス変革といったAXを後押しする。また、金融、交通、電力といった重要インフラを対象に、セキュリティ専門組織「Cyber CoE」とAnthropicが緊密に連携することで、サイバー攻撃の検知や対応を高度化する。社会インフラのサイバーレジリエンスを抜本的に強化し、AIを安心・安全に実装できる堅牢な環境を提供することで、社会全体のAX加速に貢献する。
日立は、世界最大級のClaude活用実践企業となるべく、日立グループ約29万人を対象に、全ビジネスプロセスでの先端AI活用を推進する。具体的には、AnthropicのClaudeを活用し、ソフトウェア開発における工数削減、コーポレート業務の効率化、ハードウェアの保守・運用業務の自動化(障害対応や手順書作成など)といった領域で生産性向上を実証しながら、営業、企画部門など非エンジニアも含めたあらゆる職種で業務改革を加速させる。
この大規模な自社実践の中で、10万人規模の従業員がAIを日常業務で高度に活用するAIプロフェッショナル人材となるための育成・実践プログラムを開始する。日立は、このカスタマーゼロとしての取り組みを通じて得た、実践的な知見やノウハウを、顧客への提供価値へと還元していく。
また、日立が110年以上にわたり培ってきたOTやプロダクトの知見と、先進的なAIを掛け合わせ、HMAXの高度化を図る。高い安全性と信頼性を備えるAnthropicのAIでHMAXを強化し、ミッションクリティカルな現場におけるAIの適用範囲を拡大する。具体的には、高い推論能力を持つClaudeをHMAXの各ソリューションに積極的に取り入れることで、例えば、「自然言語による直感的な設備管理」を通じたダウンタイムの極小化や、「高度なアルゴリズムによる保全業務の最適化」による運用コストの削減など、現場の課題を解決し、顧客のビジネスの強靱化と持続可能なインフラ運営に直結する価値を創出する。
さらに、社会イノベーションを牽引するため、日立はAI協業エコシステムの中核となるグローバル組織「Frontier AI Deployment Center」を始動する。同組織には、まずAnthropicのApplied AI担当者と、日立のIT・OT・プロダクトやセキュリティの専門家からなる共同チーム(約100人から300人規模を目標に順次拡大)が参画し、両社の知見を融合させる。これにより、フィジカルAI領域におけるユースケースの協創、技術実装支援、そしてソリューション開発を加速させる。
