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日本エンジニアリング、kintoneで原価管理を中心としたシステムを構築し納期30%短縮・原価4000万円削減を実現
2026年5月19日 10:00
サイボウズ株式会社は15日、日本エンジニアリング株式会社が、業務アプリ構築クラウド「kintone(キントーン)」を導入したと発表した。kintoneを活用して原価管理システムを中心としたさまざまなアプリを構築し、社員の業務負荷を軽減している。
日本エンジニアリングは、専門工事からプラントエンジニアリングまで手掛ける建設・エンジニアリング企業。建設企業の多くでは、いわゆる“どんぶり勘定”を避けるために収益管理の「見える化」が大きな課題となっており、同社もExcelを用いた原価管理を開始していた。
しかし、Excel特有の計算式の破損に加えて、最終的な原価が当初想定した実行予算からいつの間にか大きく乖離してしまうなど、多くの困難に陥っていたという。こうした混乱は、数字の整合を取るための確認や手戻りを増やし、担当者の残業を常態化させてしまったため、業務負荷の削減と正確な原価管理が急務になっていた。さらに、不要な発注を抑制する仕組みの整備も求められていたとのこと。
こうした状況を受けて、同社はまず、建設業界向けのパッケージ型基幹システムの導入を検討したものの、既存の業務フローをパッケージの仕様に合わせることの難しさに直面。「自社の業務フローに適合したシステムの開発が必要」と判断して、システムの見直しを進めた結果、会計システムと連携し、入力した原価データを仕訳まで含めて一気通貫で扱えることも要件として掲げ、会計を含む他システムとの連携に対応できるローコードツールのkintoneを選択した。
kintoneは、自社の業務フローに合わせたシステムを形にできる柔軟性を持つほか、変更履歴の管理や権限設定、申請・承認フローといった統制の仕組みを実装できる点も同社の課題に合致したという。
なお、kintoneの導入・アプリ構築には、建設業務を理解するペパコミ株式会社が伴走支援。原価管理のフローを共有し、約3カ月でシステムを立ち上げたうえで、運用しながら日本エンジニアリング自らが手直ししていくアプローチを採用した。
同社では現在、全社員55名がkintoneを利用している。kintone上で利用されるアプリは450本超にのぼり、営業・総務・工場など、部署ごとに業務を細分化しながら、現場業務を支えるアプリを幅広く展開しているとのこと。
例えば、見積書を基に工事発注申請アプリから申請し、承認された申請内容だけが、工事台帳アプリの実行予算原価として反映される仕組みを構築した。これにより、現場担当者による数値の上書きや根拠のない変更が起こりにくくなり、手戻りの抑制や、確認・修正時の負担軽減にもつながった。
さらに、請求書受領時に工事台帳アプリの情報と照合することで、発注内容と実績のズレを早期に把握し、過発注の抑制につなげている。また会計面では、クラウド型会計ソフトウェア「freee会計」との連携を実現しており、申請・承認で確定したデータを会計側に連携できるため、集計や確認の手間も減少したとしている。
なお、日本エンジニアリングが450本を超えるアプリを利用しているのは、現場の負荷を増やさないよう、業務を一つの巨大なアプリに集約せず、用途ごとにアプリを分けて整備したためだ。しかし、アプリが増えると「どのアプリを使うべきか」が分かりにくくなることから、現場の職人が迷わずアプリを使い分けられるように、4×4の16項目で構成したポータル画面を設計し、必要なアプリへの動線と作業手順を視覚的に把握できるようにしている。
こうしてkintoneで原価管理や日々の報告業務を効率化した結果、工事納期を30%短縮し、年間4000万円の工事原価を削減するといった効果が生まれたほか、残業時間を年間5000時間削減するなど、働き方改革にも寄与したとのこと。さらに、予算の流れが「見える化」されたことで、現場にも経営意識が醸成され、組織全体の透明性向上も実現したとのことだ。

