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NTTデータ、新商品のコンセプト案を生成する食品・飲料・消費財業界に特化したAIエージェントサービスを提供

 株式会社NTTデータは23日、食品・飲料・消費財業界向けに商品企画特化型AIエージェントサービスを7月に提供開始すると発表した。

 商品企画特化型AIエージェントサービスは、戦略整理から商品アイデア創出、商品コンセプト立案までを一気通貫で支援し、商品特徴、ネーミング、売上予測、提供価値といった企画情報に加え、コンセプト画像などのビジュアル表現を含む新商品コンセプト案を約150秒で生成する。生成する商品コンセプト案は、一定水準の完成度を満たし、実務活用可能な水準の候補を迅速かつ大量に提示する。これにより、質の高い多数の案を短時間で比較・検証を繰り返すことが可能となり、急速に変化する市場環境を的確に捉えた商品企画の実現と企業の競争力強化に貢献する。

 サービスは、NTTデータがこれまでグローバル消費財メーカー向けに提供してきた、商品開発業務向けAIエージェントを基盤として開発した。従来のエージェントに対して、売り上げ予測エージェントを組み込み、市場性や収益性の迅速な検討を実現するとともに、食品・飲料・消費財業界における商品企画の知見・ノウハウを活用して、業務特化型の専門エージェントを構築した。企業や商材特性に応じて、専門エージェントを柔軟に追加できる拡張性を備える。

 また、これらの機能強化にあたり、NTTデータグループの「Smart AI Agent」の実現を支える、社内向けAI検証環境上で構築されたAIエージェントを活用している。同検証環境には、検索拡張生成(RAG)や複数AIが連携して処理を行うマルチエージェント構成など、国内外のNTTデータグループ会社が蓄積してきた生成AI技術・アセットが集約されており、これらを組み合わせることで業務特性に応じた高度なAIエージェントの実装を可能にしたとしている。

 サービスでは、まず市場トレンドや企業戦略など複数の観点をもとに商品アイデアを多面的に生成し、さらにその商品アイデアを独自性、既存製品と比較した優位性、ユーザーニーズとの適合度といった観点から多角的に評価・精緻化する。これにより、実現可能性と市場性を兼ね備えた高精度な商品コンセプトへと昇華させる。

サービスフロー

 サービスの準備フェーズでは、検討する新商品の商品戦略、ブランドガイドライン、ターゲット情報などを整理し、AIエージェントが参照可能な形式で情報を構造化する。合わせて、想定する提供価値を明確化することで、商品アイデア生成の方向性を定義する。これにより、企業戦略と整合した検討基盤を構築する。

 アイデア生成フェーズでは、定義された条件をもとに、AIエージェントが多角的な観点から多数の商品アイデアを生成する。生成された商品アイデアは、競合製品と比較した独自性、既存製品と比較した優位性、ユーザーニーズとの適合度といった観点で評価される。その結果、優先的に検討するべき商品アイデア候補がランキング形式で一覧化される。これにより、短期間で質の高い商品アイデアに絞り込むことが可能となる。

 コンセプト・画像生成フェーズでは、マーケターが選択した商品アイデアを対象に、AIエージェントが具体的な商品コンセプトを生成する。生成された商品コンセプトは、マーケターが内容を確認し、修正を指示することでブラッシュアップを重ね、磨き上げていく。

 また、サービス利用にあたっては、企業戦略や業界動向などの関連データをあらかじめAIエージェントに取り込むことが必要となるが、商品企画特化型AIエージェントはこれらの情報の取り扱いにあたり機密性や権利に配慮し、適切な管理のもとで利用する。

 今後は、消費者の声や話題の変化を企画段階から反映した上で意思決定することを支援するため、SNS上の投稿データを収集・分析するサービス「トレンドエクスプローラー」の活用も検討している。そして将来的には、サービスの対象を商品企画に続くレシピ設計や包材設計、量産化検討といった商品設計工程まで拡大し、商品開発全体の意思決定の高度化と高速化に貢献する。

 NTTデータは、食品・飲料・消費財業界向けAIビジネス全体で2030年度までに累計300億円規模の売り上げを目指す。これらの取り組みを通じて、食品・飲料・消費財業界における企業の競争力強化と持続的成長に貢献するとしている。