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イオレ、デジタルダイナミックと連携して分散型AIデータセンター事業を開始、薩摩川内市にセンターを新設
2025年10月3日 15:32
株式会社イオレは2日、戦略的パートナーであるデジタルダイナミック株式会社が総務省「データセンター等の地方分散によるデジタルインフラ強靭化事業」において間接補助事業者に採択されたことを受け、九州拠点として鹿児島県薩摩川内市に次世代AIデータセンター「九州リージョン薩摩川内DC」を新設し、同社と連携して分散型AIデータセンター事業における計算資源の確保を、効率的かつ戦略的に支援すると発表した。
同事業では、生成AI時代に対応する推論プラットフォームの構築に向け、分散型AIデータセンターを構想している。首都圏に集中しているデータセンターなどのデジタルインフラの地方分散を支援することで、レイテンシーや大規模災害時における通信の途絶リスクを低減するなど、日本全体のデジタルインフラの強靭化を図ることを目的としている。
近年、生成AI技術の急速な進化と普及に伴い、その提供基盤となるGPUサーバーの需要が爆発的に増加していることから、今回、戦略的パートナーであるデジタルダイミックが総務省事業の間接補助事業者に採択されたことを受け、イオレは同社と連携し、九州リージョン薩摩川内DC建設プロジェクトを推進する。イオレは特に、GPUサーバー台数の拡充戦略や、AI UI事業を通じたユースケース開発を担い、データセンターの社会的価値を高める取り組みを推進するとしている。
さらに、プロジェクトの実効性を高めるために、複数の専門企業との連携も発表した。
woodman株式会社とは、GPU/HPC基盤の導入からデータセンター構築までをワンストップで推進し、性能要件に合わせた最適な機器構成や消費電力・熱を考慮したラック設計を実現する。機器の調達から特殊な搬入、設置、初期稼働テストに至るまで一括管理体制を構築することで、効率的なセンター建設を可能にする。
株式会社トゥモロー・ネットとは、計算資源機材の保守・運用体制を確立する。高密度GPUサーバーの設置・運用に伴って発生し得るハードウェアからソフトウェアまでの多様なトラブルに対応できる体制を整え、同社が有する大手企業での豊富なインフラ導入実績と経験を生かして、性能最適化や障害に適切かつ迅速に対応する体制を構築・維持する。
九州リージョン薩摩川内DCは、国内で増大が予測される生成AIなどの並列計算需要に応えるとともに、環境負荷の低減、地域における新たな雇用創出や経済活性化にも貢献することを目指すとしている。