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マネーフォワードが従業員エンゲージメント領域に進出、2サービス投入で離職の未然防止などを支援
2025年10月3日 06:00
株式会社マネーフォワードは1日、従業員エンゲージメント領域の新サービス「マネーフォワード クラウド適性検査 powered by ミキワメ」、「マネーフォワード クラウドサーベイ powered by ミキワメ」の提供を開始すると発表した。
マネーフォワードでは従来から人事労務領域の製品を提供していたが、従業員エンゲージメント領域では初めての製品となる。マネーフォワード HRセールス本部 本部長 兼 従業員エンゲージメント領域 事業責任者の三浦裕大氏は、「これまで給与や勤怠、年末調整などのサービスを提供し、その中でお客さまの悩みが労務だけでないことも理解している。せっかく採用した人が辞めてしまうこと、働き続けてもらう意欲をどう持ってもらうかも重要な悩み。これに応えるとともに、マーケットとしてもビジネスチャンスがあると判断した」と新領域に参入した狙いを説明した。
従業員エンゲージメント領域の新サービスを提供する背景として三浦本部長は、「人事・労務領域を取り巻く社会環境の変化」を指摘。労働人口が減少し、人材難に悩む企業が増える一方、転職市場が活性化していること、働き方の自由度が高まっていること、従業員の可能性を引き出して、人が辞めない組織作りをすることに悩む経営者が増えていることを挙げた。
「地方企業とお付き合いする中で、人材不足、社員定着率が上がらず、改善できないといった声を聞いている。また、社員の声をいち早くキャッチし、退職、離職、休職となってしまう前に、先回りして対処したいという声も聞いている。さらに、マネジメント層は基本的に非常に忙しい。多忙なマネジメント層がどう部下たちを支えればいいのか悩んでいる。また労務の観点では、依然として手作業を挟み、システム間のデータや業務をつなぐところを人がやっている会社が非常に多い。その点を変えていくことのメリットを訴えたい」。
市場動向としても、「調査会社の矢野経済研究所、ITRがエンゲージメント領域の市場調査レポートを発表している。ITRの調査レポートでは、2024年から2029年のCAGRが16%で、2029年には2024年の2倍の市場規模に達すると予測されている。成長率で見ると、労務を含む広義のHR領域全体のトレンドと非常に近い成長率で、高いポテンシャルを持った市場だととらえている」(三浦本部長)と評価している。
新サービスのうち「マネーフォワード クラウド適性検査」は、人材採用を行う際、自社に適した人材かどうかを見極める適性検査サービス。10分で適性検査を行い、企業が配属先を判断する際の参考にできるとのことで、自社の分析、採用、配属という3つのジャンルの機能を持っている。
分析機能では、すでに在籍している社員の傾向から、自社の社風に基づいた独自の採用基準の策定が可能となる。会社全体だけでなく、部署単位で傾向を分析することもできる。
採用にあたっては、入社後の活躍可能性を判断しやすいように、自社独自の採用基準と照らし合わせ、候補者が活躍する可能性を14段階で判定する。すでに自社で活躍している人材との比較や、各部署との相性の分析も可能となっている。
導入にあたっては、採用基準の作成などサービス利用をカスタマーサクセスチームが支援する。支援体制があることで、多様なコンテンツをスムーズに利用することができる。
もう1つの新サービス「マネーフォワード クラウドサーベイ」は、人事におけるリスクを早期発見し、社員の離職防止を実現するもの。社員の離職・休職は企業にとって損失につながることから、社員の状態を正しく把握し、離職者を減らすためのサービスとなっている。
社員1人ひとりの状態を正しく把握し、状態の悪い社員を早期発見し、ケアを行うなどの対応をすることで、休職や離職のリスクを下げられるという。
また、性格による回答の傾向を踏まえたロジックになっているため、性格に合わせてアラートが上がる基準が変化するなど、より適切にケアが必要なメンバーに気づけるほか、社員の性格に合わせて心理状態を解釈し、どのようにケアをすればよいかといったアドバイスも提供する。
社員に対しても、自律自走できるよう、本人に向け結果のフィードバックや状態改善のためのアドバイスを提供する。
なお、2つの新サービスは、株式会社リーディングマークからOEM提供を受けて提供する。発表会にはリーディングマークの代表取締役社長 飯田悠司氏も参加。「マネーフォワードと1つになり、価値貢献できるように取り組んでいきたい」と協業による抱負を述べた。