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日建設計、NTTアノードエナジー、ユーラスエナジー、R11iの4社、次世代データセンターの統合コンサルサービスを提供
2025年10月2日 14:23
株式会社日建設計、株式会社ユーラスエナジーホールディングス(以下、ユーラスエナジー)、NTTアノードエナジー株式会社は1日、デジタルインフラに特化した新興コンサルティング会社のリジェネラティブ・インフラストラクチャー株式会社(以下、R11i)を含めた4社で業務提携し、データセンターを中心とするデジタルインフラの進化・再構築に向けたワンストップコンサルティングサービスを提供開始すると発表した。
4社は、データセンターを含むデジタルインフラの重要性が急速に高まっている一方で、電力需要の増加への対応や、データセンターの約85%が東京・大阪圏に集中していることによる大規模災害時のリスク、既存データセンターの老朽化などの課題があると説明。そこで、日建設計の「建築および建築設備設計における経験、技術力」、R11iの「データセンターの事業経営と技術の知見、業界内における豊富なつながり」、ユーラスエナジーの「再生可能エネルギーに関する長年の知見や実績」、NTTアノードエナジーの「通信業界・データセンター業界を含む幅広い業界内のつながり、データセンターの構築保守に関する経験、技術力や電力・再生可能エネルギー調達の実績」を統合する業務提携を行い、データセンターの現状の課題を解決するとともに、次世代データセンターの提案に向けた活動を開始するとしている。
コンサルティングサービスでは、さまざまなデータセンターのマスタープラン策定を支援し、最適なエンジニアリングを提供する。インターコネクションデータセンターからハイパースケールデータセンターまで、さまざまなタイプのデータセンターの要求を理解して事業計画の立案を支援し、それを実現する建築・設備・エネルギー・情報・運用にわたる幅広く高度なワンストップコンサルティングを提供する。
また、日本国内のデータセンターの最適配置を促進し、グローバルインフラの一部としての国内デジタルインフラに最大限の計算資源配置を可能とすることに貢献する。東京と大阪への2極集中から、北海道、九州を含む4極化、さらには全国への最適分散を促進する。集中化のリスクを回避し、国際ネットワークとの接続性を確保した、グローバルにつながった高度なインフラ整備を支援する。ワット・ビット連携に代表される、日本国内の電力インフラ、通信インフラとデータセンター配置の最適化を念頭に置いた、長期的な投資計画に関わる支援を行う。
データセンターの脱炭素化とエネルギーの地産地消の推進に向けては、再生可能エネルギー活用が可能な北海道と九州におけるデータセンターの普及を促進する。そのため、北海道と九州のステークホルダーとのコミュニケーションを積極的に図り、地盤・エネルギー・通信ネットワークなどを考慮した敷地選定を含めた最適化支援を行う。
液冷システムの最適利用やAI空調制御といった最新技術を分析評価するとともに、利用状況に即したサーバー周囲環境の提案などにより、国内平均PUEの約1.6を大きく下回るPUE1.1~1.2のデータセンターを目指す提案を行う。
再生可能エネルギーをデータセンターに活用する具体策に関わるコンサルティングを実施し、顧客各社の脱炭素コミットメントの達成に貢献する。また、データセンターの冷房排熱の農業やコミュニティ施設での活用も検討して、地産地消型データセンター構築を支援する。
さらに、既存データセンターの省エネルギー化をハードとソフトの両面から提案する。旧型データセンターおよび工場などの他用途既存施設の最新データセンターリノベーションに積極的に取り組み、バリューアップとともに省エネルギー化を実現する。既存施設を有効利用することで、エンボディドカーボンを削減し、PUEの大幅な改善を図ることでオペレーショナルカーボンの削減にも貢献する。
データセンター構築に伴う、事業計画、設計・建設、施設運用の全てのフェーズで、ワンストップでシームレスなコンサルティングを提供する。
事業計画フェーズでは、事業コンセプト、ターゲット顧客などの市場分析支援や、データセンターの立地選定評価、通信環境・計画評価、マスタープラン作成支援、テクニカルデューデリジェンス、事業計画、建物基本計画の作成、省エネルギーや再生可能エネルギー利用などの脱炭素目標・環境性能の最適化支援などを提供する。
設計・建設フェーズでは、設計者または施工者の選定支援や、オーナーズコンサルとして要求性能と設計図書・施工図、施工状況の確認支援を提供する。運用フェーズでは、系統電力・再生可能エネルギー・環境価値の導入支援、データセンタースペースの効率的な利用の支援(データセンター事業者とエンドユーザーのハブ機能)、省エネ診断、中長期計画立案支援を含む運用管理支援、事業進捗評価・計画修正、顧客獲得・拡張戦略支援を提供する。
4社は業務提携により、各社のデジタルインフラに関わるコアコンピタンスが統合され、より多くのクライアントに高度なコンサルティングサービスを提供できるとして、クライアントの理解と協力のもと、日本のデジタルインフラの社会課題の解決に貢献していくとしている。また、デジタルインフラに関わる最新動向や最新技術についての研究調査を行い、国内外への継続的な情報発信も予定するとともに、業務提携で得た経験と知見により、各社のコアコンピタンスがより強化されることを目指すとしている。