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日本総研、JSOL、MKFAの3社、農業AIエージェントサービス「V-farmers」の実証を開始
2025年9月30日 08:30
株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)、株式会社JSOL、株式会社みらい共創ファーム秋田(以下、MKFA)の3社は29日、農業AIエージェントサービス「V-farmers」の経営管理サービスおよび栽培支援サービスについて、タマネギを対象とした実証実験を2025年9月から1年間、秋田県・大潟村で実施すると発表した。
実証では、農業を支える若手農業者の育成、ノウハウの伝承、経営管理の効率化といった課題の解決を目指し、V-farmersを検証する。
実証の対象として選定したタマネギは指定野菜(全国的に流通し、特に消費量が多く重要なものとして国が指定している野菜)である一方、国産品は夏季に端境期が生じており、その間は輸入品に頼らざるを得ない状況となっている。また、実証サイトが位置する東北地方では端境期の解消に向け、従来はあまり栽培されてこなかったタマネギの本格的な生産に取り組みを始めており、スマート農業の活用による栽培経験の補完や作業・経営の効率化が期待されているという。
実証ではその一環として、AIエージェントサービスによる栽培ノウハウ補完や経営管理業務支援の効果を検証する。東北地方におけるタマネギ栽培での検証結果は、農業経験の乏しい新規就農者の支援や、気候変動適応として新たな品種の栽培を始める地域の支援にも応用できるとしている。また、V-farmersの対象品目を、実証対象のタマネギに加え、コメなどへ拡大することを計画する。
実証内容は、V-farmersのプロトタイプを用いた機能検証で、経営管理支援サービスの有効性の検証や、栽培支援サービスの有効性の検証、農業用生成AIの精度の検証、既存のスマート農機などとの連携検討を行う。
実証では秋まきタマネギを主対象とし、2025年6月からの実証準備活動を含め、栽培サイクル全体で検証する。想定スケジュールは、8月播種、10月定植、翌年6~7月収穫。
日本総研とJSOLは、共同で農業現場のニーズ把握・分析、サービス仮説の構築を担う。また、日本総研は政策動向や市場動向を把握するとともに、実証を踏まえた政策提言・情報発信も担う。JSOLは、V-farmersアプリの企画・開発・運用を担う。MKFAは、V-farmersプロトタイプを現場に試験導入し、フィードバックを行う。