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2024年の国内サービス市場規模は前年比7.2%増の8兆8166億円、IDC Japan調査
2025年6月24日 11:57
IDC Japan株式会社は23日、国内サービス市場の2024年の実績と最新の予測を発表した。
IDC Japanでは、国内を含むグローバル各地域の「サービス市場」におけるベンダー売上額と市場予測を、「IDC Worldwide Semiannual Services Tracker」として提供している。サービス市場には、IT系のサービスで構成される「ITサービス市場」、およびビジネス/業務系サービスからなる「ビジネスサービス市場」を含み、それらをさらにコンサルティング/構築系の「プロジェクトベース市場」、運用、業務委託系の「マネージドサービス市場」、保守、トレーニング系の「サポートサービス市場」に分類している。
2025年5月に発行した最新版「Historical Release 2024H2」および「Forecast Release 2024H2」では、国内サービス市場は全体的に順調な成長を示しており、2024年の国内サービス市場の市場規模は前年比7.2%増の8兆8166億円、2029年の市場規模は12兆1651億円で、2024年~2029年の年間平均成長率は6.7%になると予測している。
国内サービス市場は、特に、デジタル化に向けた変革支援、レガシーシステムのクラウド移行やモダナイゼーション、デジタルイノベーションの実現に向けた新しいシステム開発の需要が高いことなどを背景に、プロジェクトベース市場が成長を牽引したと分析。2024年のプロジェクトベース市場の市場規模は前年比10.4%増の3兆5728億円、2029年の市場規模は5兆5159億円で、2024年~2029年の年間平均成長率は9.1%と予測している。
マネージドサービス市場も、2024年は堅調な成長を示しており、包括的なITアウトソーシングに加え、マネージドクラウドサービスやサービスプロバイダー向けコロケーションサービス、また人事、財務/経理、調達/購買などコア業務の外部委託の需要も高く、これらが市場の拡大を押し上げていると指摘。2024年のマネージドサービス市場の市場規模は前年比5.2%増の4兆1380億円、2029年の市場規模は5兆3065億円で、2024年~2029年の年間平均成長率は5.1%になるとしている。
サポートサービス市場も堅調に推移し、特に近年はSaaS型も含めてパッケージソフトウェアの活用が活発化しており、それに連動してソフトウェアサポート&保守サービスが市場の成長の牽引役となっていると分析。2024年のサポートサービス市場の市場規模は前年比4.3%増の1兆1058億円、2029年の市場規模は1兆3428億円で、2024年~2029年の年間平均成長率は4.0%になると予測している。
IDC Japan Service Solutions シニアリサーチアナリストの吉井誠一郎氏は、「国内サービス市場は、現時点で受注が好調なベンダーが多い。引き続きクラウド移行やモダナイゼーション、デジタルイノベーション実現への取り組みなどに牽引され、プロジェクトベース市場を中心に2025年も順調な成長を継続するとみられる。特に、AIの活用が、市場拡大の中心的な牽引役になるであろう。ただし中長期的には、米国トランプ政権の関税政策が国内IT投資に与える影響について注視する必要がある」と述べている。