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富士通、スパコン「富岳」の次世代となる新たなフラッグシップシステム「富岳NEXT」の基本設計を受注

 富士通株式会社は18日、国立研究開発法人理化学研究所から、スーパーコンピューター「富岳」の次世代となる新たなフラッグシップシステム(開発コードネーム:富岳NEXT)における全体システム、計算ノード、CPU部の基本設計を受注したと発表した。基本設計の期間は、2026年2月27日まで。

 富士通では、パーパスとして「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を掲げ、ビジネス変革と持続可能な社会の実現の両立を目指し、テクノロジーの継続的な研究開発と社会への還元に取り組んでいる。今回の「富岳NEXT」基本設計への参画は、このパーパスを実現するための重要な取り組みの一つと位置付けているとしている。

 富士通は、全体システム、計算ノード、CPU部を含む、「富岳NEXT」の基本設計を行う。この基本設計では、「富岳」で培った性能追求の知見に加え、現在開発中の汎用CPU「FUJITSU-MONAKA」で適用する先進的な技術を融合・進化させる。これらの技術に加え、「富岳NEXT」は、GPUなどアクセラレーターとの連携により、多様な需要変化にも柔軟に対応できるシステムを目指す。

 2ナノメートルテクノロジーを採用する「FUJITSU-MONAKA」は、最新の3Dパッケージ構造に最適化したマイクロアーキテクチャ、超低電圧回路動作技術といった富士通の独自技術を適用し、エッジコンピューティングからデータセンターまで、次世代コンピューティングに求められる多様な用途において性能と省電力を両立し、安心安全、使いやすさといった価値の提供を目指している。

 「富岳NEXT」向けに適用する「FUJITSU-MONAKA」の後継CPU「FUJITSU-MONAKA-X(仮称)」は、「富岳」で開発されたアプリケーション資産の継承と高速化を実現するとともに、最先端のAI処理加速機能を搭載することでAI処理需要に応える。このCPUは「富岳NEXT」への搭載にとどまらず、社会や産業を支える幅広い分野で活用されることを想定している。

 富士通は、世界をリードする計算基盤を実現し、日本の科学技術の発展や企業・社会の課題解決に貢献するため、その中核である国産のCPU技術を通してイノベーションと信頼を提供し続けると説明。また、これらの開発を通じて、さまざまな企業や研究者、コミュニティとの協業を促進し、アプリケーションやAIなどの研究開発のためのエコシステムを拡大することで、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。