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キヤノン、遠距離からの夜間監視でもカラー撮影が可能な「VB-M50B」などネットワークカメラ6機種を発表

 キヤノンは7日、遠距離からの夜間監視でもカラー撮影が可能な「VB-M50B」など、ネットワークカメラ6機種を発表した。3月下旬から順次発売する。

 各機種ともソフトウェアを刷新し、機能や操作性を向上。従来のPCに加え、スマートフォンやタブレットからのモニタリングに対応。カメラの映像画面やカメラ設定ページを見やすい表示に改良し、端末からカメラにアクセスした際には、速やかにカメラの映像を表示可能とした。

 撮影シーンに合わせ、「動き優先」「深度優先」「高感度」「データサイズ低減」から選択するだけで推奨設定に切り替わる「簡単カメラ設定」機能を新搭載。監視中の異常事態を自動で検知し、メールでの通報やメモリーカードへの記録が可能な「インテリジェント機能」を標準搭載した。

VB-M50B
VB-H652LVE

 「VB-M50B」は、集光効率に優れた焦点距離126mm~630mm、F1.8-2.4の大口径光学5倍ズームレンズを搭載し、望遠端の最低被写体照度は0.07ルクスと低照度性能を達成。肉眼の認識が困難な低照度環境でも、100m先の人物をカラーで認識できるなど、夜間の遠方監視においても威力を発揮する。

 大口径の超望遠ズームレンズを搭載しながら、約129mm(直径)×約157mm(高さ)のコンパクトサイズを実現。パン(横)方向は348度(±174度)、チルト(縦)方向は105度の移動が可能で、パン・チルトを組み合わせたモニタリングが可能。大規模店舗の駐車場監視や河川や港湾の自然災害の監視など、遠方監視に適した機種としている。市場想定価格は30万円前後(税別)。発売日は4月上旬。

 「VB-H652LVE」は、赤外照明を搭載し、0ルクスの暗闇でも最長20m先の対象物を白黒撮影できる製品。赤外照明は広角側用と望遠側用の2種類を搭載し、広範囲の撮影が可能。F1.2(広角端)の大口径レンズと、2メガピクセルの高感度CMOSセンサーなどを搭載することで、カラー撮影時には0.035ルクス、白黒撮影時には星明かり程度の暗い環境でもフルHD撮影が行える。

 気温-40度~+55度の環境下で撮影が可能で、高さ40cmから5kgの物体が落下しても耐えられる「IK10」の基準を達成。「IP66」に準拠する防じん・防水構造を備え、河川や港湾などの風雨を受ける場所でも使用できる。光学2.4倍ズーム、水平画角122.1度の広角レンズを搭載し、広い空間を見渡した撮影が可能。希望小売価格は28万8000円(税別)。発売日は7月下旬。

VB-R13VE/VB-R12VE
VB-R13

 「VB-R13VE」「VB-R12VE」「VB-R13」の3機種は、いずれも360度パン(横)方向に450度/秒の高速旋回が可能で、チルト(縦)方向は180度の移動に対応。1台で効率的に広範囲をモニタリングするとともに、緊急時でも素早く目的の撮影位置へ移動でき、高い位置から市街全体を俯瞰する監視や、河川、港湾などの広域監視に適した製品。

 光学30倍ズームレンズを搭載し、広角端で62.6度の広い視野角を実現。低照度性能を追求したF1.4(広角端)の大口径レンズと、2メガピクセルの高感度CMOSセンサーなどを搭載することで、カラー撮影時には0.05 ルクス、白黒撮影時には星明かり程度の暗い環境下でもフルHD撮影が可能。

 VB-R13VE、VB-R12VEは、気温-50度~+55度の環境で使用でき、IK10の耐衝撃性、IP66準拠の防じん・防水構造を備え、河川や港湾などの風雨を受ける場所でも使用が可能。VB-R13VEは音声入力端子や外部デバイス入出力端子を備え、VB-R12VEは非搭載。VB-R13は屋内専用モデルとなる。

 各モデルの希望小売価格(税別)は、VB-R13VEが66万円、VB-R12VEが63万円、VB-R13が56万円。発売日はいずれも6月下旬。

VB-H651V

 「VB-H651V」は、全体を見渡して撮影することが可能な水平画角122.1度の広角レンズ(光学2.4倍ズーム)を搭載する、固定ドーム型モデル。低照度性能を追求したF1.2(広角端)の大口径レンズと、2メガピクセルの高感度CMOSセンサーなどを搭載することで、カラー撮影時には0.035ルクス、白黒撮影時には星明かり程度の暗い環境下でもフルHD撮影が可能。

 カメラの設置時や、画角の変更を要する際に、PCで映像を確認しながら画角の調整ができる、キヤノン独自の設置サポート機能「設置PTRZ」が進化。これまで必要としていた専用アプリケーション「カメラアングル設定ツール」のインストールを不要とし、カメラ設定ページから画角の調整を1人で行うことができる。希望小売価格は19万8000円(税別)。発売日は2016年3月下旬。

監視映像の表示画面(イメージ)

 また、ネットワークカメラを最大512台まで一元管理できるネットワークビデオレコーディングソフトウェア「RM v4.2シリーズ」を3月下旬に発売する。

 「RM-64 v4.2」「RM-25 v4.2」「RM-9 v4.2」は、それぞれ64台、25台、9台までのカメラを登録し、映像の表示や録画、再生、画面のレイアウトなどを管理するソフトウェア。いずれもサーバーを最大16台、ビューワーを最大12台、カメラを最大512台までを一元管理する、大規模システムの構築が可能。OSとしてWindows 10にも新たに対応した。

 ネットワークカメラの登録時には、簡単に録画スケジュールの設定を可能にする「自動録画設定」機能と、登録したネットワークカメラの台数に応じて自動的にレイアウトを生成する「シンプルレイアウト」機能を新たに搭載。ズーム位置に応じた速度で、ジョイスティックのレバーによるパン・チルト・ズームの操作に対応する。

 「RM-V v4.2」は、録画サーバーを選択し、モニタリングするビューワー機能を複数台持たせるための追加ライセンス。RM-64/RM-25/RM-9 v4.2には、ビューワーライセンスが1本含まれる。

 各製品の希望小売価格(税別)は、RM-64 v4.2が45万円、RM-25 v4.2が25万円、RM-9 v4.2が12万円、RM-V v4.2が5万円。

三柳 英樹