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GPU仮想化技術を活用した仮想デスクトップ基盤でNetAppストレージを採用、広島市立大学

 ネットアップ株式会社は26日、公立大学法人広島市立大学が、ネットアップの統合ストレージ「NetApp FASシステム」を導入したと採用した。仮想デスクトップ基盤と統合ファイルサーバーの双方を支えるストレージシステムとして利用されている。

 広島市立大学では、学生・教職員の教育・研究などを支える情報基盤として「HUNET(Hiroshima City University Information Network)」を運用しており、この基盤を通じて、授業を支えるクライアント環境のほか、履修登録やe-ラーニング、遠隔授業システムなど、大学運営と学生生活をサポートしている。

 また従来より、事務系端末向けに仮想デスクトップ環境を導入していたが、運用のさらなる効率化やデスクトップ環境の遠隔管理を目的に、教育用端末環境への仮想デスクトップ導入も決定した。

 その教育用仮想デスクトップ環境では、高度な3Dグラフィックス処理をすることも想定されていたため、処理能力やレスポンスに優れた仮想デスクトップ環境の構築を目指した。さらに、以前は学内に散在していたファイルサーバー群の集約と、システム障害や大規模災害などに備え、データバックアップを強化するストレージ基盤の導入も検討していたという。

 同大学では、求める要件に対応可能な仮想デスクトップ基盤を計画するなかで、仮想化分野でのNetApp製品の導入実績などを評価し、ストレージOS「clustered Data ONTAP」を搭載したNetApp FASシステムの採用を決定した。

 これにより、約400台の端末環境で処理性能とレスポンスに優れた仮想デスクトップ環
境を2014年8月~9月に構築し、10月から運用を開始した。この仮想デスクトップ基盤では、ハイパーバイザーにVMware vSphereを、仮想デスクトップ管理ソリューションにVMware Horizon Viewを採用し、ハードウェアは、仮想デスクトップ環境や管理サーバーが稼働する物理サーバーと、仮想デスクトップ環境のさまざまなOSイメージを保管する、clustered Data ONTAPを搭載したアクティブ-アクティブ構成の「NetApp FAS3220AE」を組み合わせている。

 さらに、仮想デスクトップ環境のうち、50台に採用されたGPU仮想化技術を通じて、高度な3Dグラフィックス処理でも快適な動作を実現した。

 加えて今回は、NetAppストレージのアクセス性能を生かし、約2000ユーザーが快適に使用できる統合ファイルサーバーを構築するとともに、NetAppストレージのデータ保護機能を活用し、仮想デスクトップ環境とファイルサーバーの双方を保護可能な、統合バックアップ体制も構築している。

石井 一志