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富士通、グループ国内外の全システムを大規模刷新、OpenStack基盤へ

 富士通株式会社は18日、グループ国内外すべての社内システムを次世代クラウド基盤へ刷新すると発表した。約640のシステム(サーバー数:約1万3000台)が対象。移行先は現在、OpenStackをベースに開発中。2015年2月より順次移行し、今後5年間で完了する予定。約350億円のTCO削減をめざす。

 同社のICTシステムの方針は「ビジネス貢献」「システムの効率化」「リファレンス化」の3点。これに基づき、グループ国内外の社内システムを次世代クラウド基盤へ移行する。日本にあるシステムは約450、海外は約190で、サーバー数は約1万3000台にもおよぶ。ここまで大規模かつ複雑なシステム移行は、同社グループにとって初の試みという。

 社内システムは「CRM/販売支援システム」「SCM/ECMシステム」「人事・経理などのコーポレート系システム」「全社の情報共有やコミュニケーションを支えるグローバルコミュニケーション基盤」などの共通システムに分類される。次世代クラウド基盤への移行は、これらすべてを対象に今後5年をかけて順次実施していく。

 その第1弾として、2月にコーポレート系の2システムから移行を開始。すべての社内システム移行が完了した際には、TCOを5年間で約350億円削減できる見込みという。

 今後もモバイルやビッグデータ分析などの最新技術を活用し、ビジネス環境の変化に迅速に対応するシステムを、この基盤上に迅速に構築していく。また、今回の移行や運用で培ったスキルやノウハウをリファレンスモデルとし、顧客のクラウド移行への提案・構築・運用にも生かしていく。一部の顧客と実証も行いながら継続的に機能開発を行い、2015年度中に顧客へのサービス提供を開始する予定。

川島 弘之