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モバイルは働き方を変える、それは「幻想」でなく既に「実現可能」~Citrix

シトリックス・キング社長が戦略を語る

代表取締役社長のマイケル・キング氏

 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(以下、シトリックス)は19日、2014年度戦略説明会を開催。代表取締役社長のマイケル・キング氏が「モバイルワークスタイル」を注力点に挙げ、「単にモバイルデバイスを使うことではなく、働き方そのものを変えることが、Mobilityに求められること」と説明。「働き方そのものを変える」ための同社のビジョンや取り組みを紹介した。

 Mobilityの分野で同社が掲げるのが「モバイルワークスタイル」という考え方だ。単にモバイルデバイスを使うのではなく、それが働き方を変えないと意味がない。それを「人々を幸せに、そして生産的に」というメッセージで訴えかけている。

 「モバイルワークスタイル」のためには「業務のモバイル化」「業務環境の再設計」「業務フローの最適化」が必要になるとキング氏は語る。また、「Mobilityには、BYOD、ワークシフト、リモートワークフォース、コラボレーション、フィールド営業、ビジネス継続性とさまざまな意味があり、人によってポイントが異なる」とし、それらすべてに応えられなければならないという。そして、「シトリックスならすべてに応えられる」とも。

 実際、ここ最近のシトリックスのメッセージは「モバイル」が前面に出ている。2013年にモバイル管理製品「XenMobile」やオンラインストレージ「ShareFire」、コンテナアプリ群「Work Mobile Apps」を投入。既存の「XenApp」「XenDesktop」「NetScaler」も含めて、「モバイルワークスタイル」を可能とする環境「モバイルワークスペース」を実現するための製品群として訴求。

場所にとらわれない仕事環境

 こうしてモビリティポートフォリオを体系化してきた結果、「MDM&MAM」「セキュアメール&Webアプリ」「モバイルデータコントロール」「Web&ソーシャルコラボレーション」「セキュアモバイルネットワークアクセス」「Windowsアプリ&デスクトップ仮想化」「透過的なモバイルエクスペリエンス」といった「モバイルワークスペース」に必要と思われる要素をシトリックス単独で幅広くカバーするに至り、「他社製品の場合、これらカテゴリごとに別個のソリューションをつぎはぎしなければならず、断片的なデバイス・アプリ・データのマネジメントで苦労を避けられない」と、ワンストップソリューションがシトリックスの強みであるという見せ方をしているのだ。

モビリティポートフォリオを体系化

 「モバイルワークスタイル」は働き方を変えるもの――昨今では、テレワーク・在宅勤務、個人の裁量型勤務、子育て・介護世代の支援型勤務、営業活性化、海外勤務、一時的なプロジェクト型勤務と働き方は多様化している。

 一方で、環境整備率の低さや前時代的な制度などが多様化を阻んでいるのが現状だ。キング氏も「BYODか、会社支給デバイスか」「人事制度をどうするか」「IT部門によるコントロールの適正化」「オンプレミスか、クラウドか」といった課題が存在するとコメントしたが、しかし「モバイルワークスタイルはもはや“幻想”ではない。シトリックスの確かなビジネス基盤に基づいた“実在する”ソリューションだ」ということを強調。

 その一例として、自社実践のテレワーク推進を紹介。同社ではすでに自社製品によるペーパーレス、BYOD、モバイルコラボレーションなどを進めている。その結果、21%のペーパーレス、BYOD社員対前年比55%増、残業時間対前年比16%増などを実現し、テレワーク協会主催の「テレワーク推進賞」で奨励賞を受賞している。

 在宅勤務環境も整備済みで、2月の大雪で孤立した山梨県在住のスタッフも、業務に関しては問題なく遂行できたとして、その様子が紹介された。

大雪で孤立した山梨県在住のスタッフは在宅勤務を

 また、カスタマーエクスペリエンスの向上にも努めるとして紹介されたのが、2月18日に発表されたアプリケーション仮想化製品「XenApp 7.5」、デスクトップ仮想化製品「XenDesktop 7.5」だ。

 XenApp 7.5では、新たに「HDX Mobile技術」を搭載し、Windowsアプリケーションをモバイルデバイス上で直感的かつ透過的に機能できるようにし、モバイルエクスペリエンスを高めている。これらのアプリケーションはネイティブと同等(あるいは高い)パフォーマンスで利用でき、マルチタッチ操作も可能となる。

 XenDesktop 7.5では、リモートから電源を管理する「Wake-on-LAN」や、アプリケーション移行支援技術「AppDNA」の全機能などが盛り込まれた。

 XenApp、XenDesktopともに「FlexCast Management Architecture」上に構築されているため、ユーザーは1つのコンソールからすべての仮想アプリケーションと仮想デスクトップを提供することも可能だ。

 また、両製品とも「ハイブリッドクラウドプロビジョニング機能」を搭載し、AWS、Citrix CloudPlatform powered by Apache CloudStackへ直接プロビジョニングすることも可能。将来的にWindows Azureもサポートし、XenAppとXenDesktopを簡単にハイブリッドクラウドで運用可能にした。

 こうした取り組みを通じて、今後も「モバイルワークスタイル」への実現に注力する方針。「2014年は午年。シトリックスにとってはスピードを重視、跳躍の年になる」(キング氏)としている。

川島 弘之