日本マイクロソフト、「マイクロソフト テクノロジー センター」を品川本社オフィスに移転統合

新たに6つの専用ルームを開設、顧客に最適なITソリューションを提案


米マイクロソフト コーポレーション Microsoft Office担当 プレジデントのカート・デルベーン氏

 日本マイクロソフト株式会社は10日、エンタープライズ企業のIT導入をサポートする「マイクロソフト テクノロジー センター(以下、MTC)」を、マイクロソフト大手町テクノロジーセンター内(東京都千代田区)から品川本社オフィスへ移転・統合するとともに、一部施設を追加し、4月11日より新たに開設、運営開始すると発表した。この発表にあわせ、MTCの活動内容や施設の概要を紹介するプレス説明会および開所式が行われた。

 説明会に先立ち、来日中の米マイクロソフト コーポレーション Microsoft Office担当 プレジデントのカート・デルベーン氏が、同社が提唱する今後のプロダクティビティワークスタイルビジョンについて述べた。「これからのプロダクティビティの取り組みとしては、3つのポイントが挙げられる。まず、PCやスマートフォン、ブラウザから最高のプロダクティビティソリューションを提供すること。次に、ユーザーに適したクラウド展開をサポートすること。そして、プラットフォームを提供していくことだ。これによって、ユーザーが最新のシステムを使う上でのコスト削減を支援することが重要」との考えを示す。また、今後検討すべきプロダクティビティの重点要素として、「新しいフォームファクター」、「高度なNUI」、「状況認識」、「次世代コンテンツ消費」、「利用者主権のBI」の5つのキーワードを指摘した。

日本マイクロソフト クラウド&ソリューションビジネス統括本部 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長の澤円氏

 続いて、日本マイクロソフト クラウド&ソリューションビジネス統括本部 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長の澤円氏が、MTCの概要を説明。「MTCは、現在、米国を始めとする世界27都市で展開しており、すべて顧客にできるだけ近いところに拠点を構えている。そして、多くの顧客にその場で、当社の提案するプロダクティビティを実際に体感してもらい、顧客のビジネスにつなげるサポートをしていくことが大きな役割だ。日本については、2009年に大手町にMTCを開設し、サービスを提供してきたが、今回、品川本社オフィスにすべてのファシリティを移転・統合した。ただ、品川MTCで使用するサーバー、ストレージ、ネットワークなどの機器は、引き続き大手町データセンターに設置し、1Gの高速専用線で品川MTCと接続して、プライベートクラウドで利用する」としている。

 今回の品川MTCへの移転では、品川本社オフィスに勤務する同社ITエキスパート人財をフル活用し、エンタープライズ企業の意思決定者からITプロ、デベロッパーまであらゆるIT関係者に向けて、ブリーフィング、デモンストレーション、ハンズオン、実機検証などを提供していくという。

 具体的な施設としては、品川本社オフィス30階に、6つの専用ルームを新設。3つのハンズオン専用ルーム「MEC(マイクロソフト エクスペリエンス センター)」と、多目的に使用可能な2つの「MTCブリーフィングルーム」、新しいUX(ユーザー エクスペリエンス)を体感できる「インタラクティブ センター」を展開する。


MSE ビジネスプロダクティビティのハンズオンルームとなる「MEC-1」MSE フレキシブルワークスタイルのハンズオンルームとなる「MEC-3」

 「MEC」は、MSE (マイクロソフト ソリューション エクスペリエンス)専用ハンズオンルームとして10台程度のPCを設置し、Windows Phone、Webカメラ、USBおよびIP電話機、Web会議機器などを装備する。今回、コンテンツに合わせた3つのMECルームを新設し、最新のIT環境でメール、IM(インスタント メッセージ)、ビデオ通話など使ったコミュニケーションやコラボレーションが体験できる。

 「MTCブリーフィングルーム」は、MSB、ADS、MTCパートナーによるブリーフィングなど、16人までの多目的なブリーフィングルームで、2つのルームを新設した。大型のタッチ対応ディスプレイを2面設置し、よりインタラクティブなブリーフィングが可能となっている。

最新PCや各種デバイスが体感できる「インタラクティブ センター」

 「インタラクティブ センター」は、最新PCや各種デバイスを通じ、新しいUXを体感するスペース。WindowsスレートやタブレットPCに加え、Kinect for WindowsやMicrosoft Surface、さらにインタラクティブホワイトボード、ビデオ会議デバイスなどを展示する。

 品川MTCの中核となる「エンビジョニング センター」は、今年6月に開設する予定で、「『エンビジョニング センター』は劇場型の部屋になっており、さまざまなマイクロソフト製品を組み合わせ、最新のITソリューションを顧客のビジネス課題やニーズに合わせて紹介していく」(澤氏)という。

 このほか、品川MTCでは、11社の「MTC グローバル テクノロジー パートナー」を中心に、合計19社のIT企業とパートナーシップを結び、サーバー、ストレージ、ネットワーク、ワークステーション、デバイスの最新機器を配置し、最適なITソリューションをパートナー企業とともに提供していく。


日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏「品川MTC」開所式のテープカットの様子

 プレス説明会終了後には、品川MTCの開所式が行われ、日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏があいさつ。「品川本社オフィスは、自社製品を使いながら、最先端のワークスタイルを自ら実践することをコンセプトに昨年2月から業務開始しているが、この1年間で14万人もの見学者があった。東日本大震災を受けてのBCP対応、ワークライフバランスの視点からテレワークの取り組み、グローバル化に向けた新しいワークスタイルなどに注目が集まっているようだ。今回、この品川本社オフィスに、MTCを統合することで、われわれの働き方、そしてパートナーの付加価値も合わせて、顧客に最適なITソリューションを訴求していく」と述べた。

 なお、品川MTCでは、各施設を利用して、「ストラテジー ブリーフィング」、「MSE (マイクロソフト ソリューション エクスペリエンス)」、「MSB(マイクロソフト ソリューション ブリーフィング)」、「ADS(アーキテクチャデザイン セッション)」、「POC(システム構成検証)」の5つのオファリングを提供する。さらに、これらに加え、5月中旬からは、新規オファリングとして「プライベートクラウド(PCI)」を提供開始する予定。

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