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トレンドマイクロ、セキュリティに特化したAIモデル/エージェントをオープンソースで公開

 トレンドマイクロ株式会社は米国時間19日、サイバーセキュリティに特化したAI「Trend Cybertron」のAIモデルおよびAIエージェントを、オープンソースとして提供すると発表した。

 Trend Cybertronは、LLM(大規模言語モデル)やNLP(自然言語処理)、機械学習、AIエージェントなどのAI技術を集約しており、サイバーセキュリティに特化している。Trend CybertronのAIモデルは、専門的なサイバーセキュリティLLMの一つとして、法人組織やリサーチャーに対して先進的なサイバーセキュリティ機能を無償で提供する。

 現在、Metaが提供するLlama 3.1をベースにファインチューニングされ、NVIDIAの加速化されたインフラ上でNVIDIA NIM推論マイクロサービスを活用することで、迅速かつ信頼性の高いデプロイメントを実現するとしている。

 トレンドマイクロは、NVIDIA AIソフトウェアを使用してサイバーセキュリティの自動化を加速するAIエージェント戦略を構築し、法人組織が、リソーススキャン、リスク評価、優先順位に基づく推論、および実行可能な緩和提案を通じてサイバーリスクを能動的に管理することを支援する。

 法人組織は、NVIDIAのエコシステムの中で、複数のブループリントの適用、AIエージェントをシームレスに統合したセキュリティタスクの自動化、リソーススキャンを通じた脅威に対する能動的な緩和などのサイバーリスクマネジメントが行えると説明。具体的には、セキュリティ部門がさまざまなアタックサーフェスにおけるリスクを予測できるようにするセキュリティポスチャマネジメントの強化や、アラートの過負荷軽減、開発者の作業時間節約、センサーの情報をもとにした必要なインサイトの提供などを実現するとしている。

 Trend Cybertronは、2億5000万以上のセンサーからの脅威インテリジェンスを活用して、リスクを能動的に管理するように設計されている。ユーザーの問い合わせに応じ、実行可能な計画を生成し、トレンドマイクロのクラウドからリアルタイムのサイバーセキュリティインテリジェンスを用いることで、リスク評価を行い、法人組織のAIシステムを保護するためのベストプラクティスを提供する。

 NVIDIAは、モデルの開発とデプロイメントを行うためのサポートと、AIマイクロサービスを提供している。トレンドマイクロは、NVIDIA DGXスーパーコンピューティングを使用して、Trend Cybertronをトレーニングおよび最適化し、モデルのファインチューニングに必要な時間を短縮したという。

 Trend Cybertronは現在、80億パラメーターのAIモデルと初期の専門的なAIエージェントで構成されている。また、サイバーセキュリティ機能を拡張するために、追加のモデルとエージェントを開発中で、近い将来、700億パラメーターの高度なバージョンのリリースが計画されており、将来のサイバーセキュリティの課題にも対応していくとしている。