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JBS、AIチャットが企業内固有の回答を生成する「アイプリシティ コンシェルジュ Powered by ChatGPT API」を提供
2024年3月13日 08:30
日本ビジネスシステムズ株式会社(以下、JBS)は12日、AIチャットが社内のデータを参照し、企業固有の回答を生成するRAG(検索拡張生成)サービス「アイプリシティ コンシェルジュ Powered by ChatGPT API(以下、アイプリシティ コンシェルジュ)」を提供開始した。
RAGは、Retrieval Augmented Generationの略で、検索拡張生成を意味する。検索性と生成能力に優れ、従来の生成AIのように学習データの内容を要約するだけでなく、多様なデータを参照して回答を生成させることが可能な技術を持ち、より正確で即時性のある情報提供の実現につながる。
汎用的な生成AIは、学習したデータから回答を生成するため、学習対象に含まれない企業固有のデータから回答を得ることが難しい一方、RAGを活用して社内のデータを検索対象に含めることで、企業固有の回答を生成する。
JBSでは、ChatGPTが話題になった当初から、社内データに基づいて回答を得る仕組みを作りたいといった声があり、RAGを用いた手法は解決策として一般的によく知られていると説明。しかし、RAGの実現にはLLM(大規模言語モデル)やプロンプトの知識に加え、検索エンジンの仕組みやデータ加工などの専門的知識が必要であるため、エンジニアの確保や個別開発コストなどの課題があり、実装に至らないケースが多く見られるという。
この課題に着目し、JBSでは最短1日でRAGの導入を実現し、AIチャットが社内データに基づいた回答を生成できる環境を整えるサービスを提供。一人ひとりの専用コンシェルジュとして、ユーザーの社内情報の活用を手助けし、スムーズに業務を遂行できるよう支援するとしている。
サービスは、2023年4月にJBSがリリースした、機密情報の漏えいリスクを回避して安全にAIチャットを利用できるサービス「アイプリシティ チャット Powered by ChatGPT(以下、アイプリシティ チャット)」のオプションサービスとなり、ユーザーはブラウザーベースのアイプリシティ チャットを介してプロンプト入力から回答生成までを行う。
社内ルールや業務システムなどで使われる情報など、企業固有のデータから回答を生成することが可能となり、より正確で関連性の高い回答を得られる。ファイルサーバーやイントラネットなどに保存されている、PDFやWord、Power Point、テキストファイルなど、検索対象としたいドキュメントファイルを決められたフォルダーに保存するだけで、「アイプリシティ チャット」で質問をすると、保存したドキュメントファイルに基づいた回答が得られるようになる。
ドキュメントファイルの保存先は、ファイルサーバーのようにフォルダーの階層構造をとることができ、適切なアクセス管理を行うことで、ドキュメントファイルの閲覧権限がないユーザーには回答を返さないよう制御できる。また「アイプリシティ チャット」同様、お顧客のデータは顧客が契約する「Microsoft Azure」のテナント内に保存されるため、「Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)」の認証・認可機能を用いたユーザー管理を実現する。
アイプリシティ コンシェルジュの価格は年額288万円(税別)から。