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PwCコンサルティングがCitadel AIと協業、AIガバナンス体制構築支援を共同で提供

 PwCコンサルティング合同会社は15日、株式会社Citadel AIと協業し、AIの自動検証による定量的な品質評価を軸としたAI評価およびAIモニタリングの仕組みを策定する、AIガバナンスソリューションパッケージを提供開始した。

 両社では、信頼できるAIの実現は、現代社会にとって喫緊の課題であり、法制度や国際的なAIガバナンスの標準化に関する議論が各国で進んでいると説明。現在、日本では「ソフトローによるコントロール」を明言しているが、一方で2023年10月と12月に合意・表明された広島AIプロセスに関するG7首脳声明では、高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際指針とその行動規範により、国際的な行動規範を精緻化することへのグローバルなコミットメントを改めて表明、各国の懸念となっている偽情報の拡散にも焦点を当てた対策を示しており、今後、グローバル企業を中心に、AIの品質評価やその情報共有などが必要となり、株主への説明も求められる可能性があるとしている。

 PwCコンサルティングとCitadel AIは、ともにこの課題に挑戦し、AI活用を本気で加速したい企業を支援するため、両社が協業することで、手動で実施するには大きな負荷がかかるAIの正確性や信頼性の品質評価を、定常的に自動実行するプロセスを策定すると説明。これにより、現実的に業務に生かせるAIの品質評価をしながらAI活用を進められる、「攻め」のAI活用を大きく加速させることを目指すとしている。

PwCコンサルティングとCitadel AIによるAIガバナンスソリューションパッケージ

 PwCコンサルティングでは、AI活用に関するリスクコントロールを実現したい企業に対して、ポリシー策定や体制構築など7つの領域から成る「AIガバナンス構築支援サービス」を提供している。Citadel AIは、AIの自動品質管理システムの開発を通じ、AIの信頼性に関わる課題解決に貢献している。具体的には、学習時のAIモデルやデータを自動で技術検証し、品質改善の高速化を実現する「Citadel Lens」や、運用時のAIのモデルやデータを、顧客に代わって継続的に監視し、実環境での安定した運用をサポートする「Citadel Radar」といったサービスを提供している。

 今回の協業は、「AIガバナンス構築支援サービス」におけるAIガバナンス診断、モニタリングプロセスの策定、モニタリングツールの導入を特に強化するものだと説明。さらに、PwCコンサルティングが持つAI活用、AIガバナンスの知見および各国政策動向の専門知識と、英国規格協会とも提携するCitadel AIのAI自動品質管理システムの開発・技術力を掛け合わせ、クライアントが抱えるAI活用にかかるリスクに対し、タイムリーで確実な課題解決支援を提供するとしている。

 PwCコンサルティングとCitadel AIは今後、さまざまな業界に特化したソリューション展開も視野に入れ、戦略的なアライアンスの構築を進めるとしている。