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NTTデータ、金融機関のデータドリブン経営への変革を実現する「Service Innovation Core」を提供

 株式会社NTTデータは26日、金融機関のデータドリブン経営への変革を実現するデータ利活用基盤「Service Innovation Core(以下、SIC)」の提供を2024年度に開始すると発表した。株式会社京都銀行が2024年5月、株式会社西日本シティ銀行が2025年4月よりそれぞれ利用を開始する。

 SICは、金融機関がグループ全体で顧客情報を一元管理し、他システムとの柔軟な連携を可能にするデータ利活用基盤。スピード感のある事業展開や抜本的な業務効率化、革新的な新サービスの創出を通じて、顧客ニーズに応え続けられるような銀行グループの変革を実現する。

 顧客情報の一元管理機能として、銀行の各種システムに散在する情報をはじめ、グループ会社情報や行政が持つ統計情報などの外部データを含めた、情報の一元管理を実現する。法人/個人・職域・関連企業などの属性情報で、顧客を名寄せする統合顧客管理機能により、金融機関グループ内での相互送客や新規顧客開拓に貢献する。

 NTTデータが金融システムで培ってきたノウハウを活用し、クラウドデータプラットフォーム「Snowflake」上で利用しやすいデータベースを構築する。Snowflakeと連携しているデータプロバイダーと接続できるSnowflakeマーケットプレイスとも連携し、多くの金融機関で利用されている外部データの分析への利用や自社データとの統合をスピーディーに行える。

 顧客動態を早期検知可能とする、顧客の取引情報などのリアルタイム連携機能も提供。API機能(2024年度内に提供予定)により一元化された顧客情報へのアクセスを可能とすることで、新規サービスとの接続をこれまで以上にスピーディーに実現する。金融機関内のシステム間連携においてもAPI機能により接続をシンプルにし、開発・保守の複雑性を解消する。

 AI分析基盤(オプションサービス)として、大量データに基づく分析が高速かつ高精度にできる、DataRobot環境を共同利用型サービスとして提供を予定する。AWS国内環境での構築により、セキュリティ面を向上させる他、SICとのデータ連携がシームレスとなる。これにより、事前のデータ収集・集計・加工など準備作業や分析対象データの追加/継続的なアップデート作業の負荷の軽減を実現し、ビジネス分析・意思決定の早期化や商品・サービスの向上、新たなビジネスの創出等を可能にする。

 さらに、NTTデータの分析・活用サポートチームによる、データ利活用の伴走支援サービスを提供する。日々のデータ活用アドバイス、サポートの他、銀行間の成功体験/活用事例のノウハウ共有、分析結果を活用した新規施策の企画・実施・展開など、SICの継続的な新規サービスの提供を通じて金融機関のデータ利活用高度化をサポートしていく。

 NTTデータは今後、SICの導入を通じて、サービス利用行間でコミュニティーを形成し、データを秘匿化した上で、ビッグデータ分析の高度化を目指していくと説明。そして、銀行グループ全体でのデータドリブン経営への変革実現を支援していくとともに、獲得したノウハウや成功事例を他の金融機関へ展開し、金融業界におけるデータ利活用促進を支援していくとしている。

SICの全体像