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NTTデータ先端技術、大規模言語モデルの活用による「デジタルAIアシスタント」の実現に向けた共同検証を実施

 NTTデータ先端技術株式会社は5日、インドのAlgoAnalyticsと共同で、大規模言語モデルを高度に活用した「非定型業務」自動化の実証実験を10月に開始すると発表した。

 NTTデータ先端技術では、企業が業務の効率化と生産性の向上を目的として、高度な業務システムの導入やRPAの導入を進め、業務の自動化を推進しているが、従来のアプローチではプロセスと入出力のフォーマットがあらかじめ定まっている「定型業務」を中心とした自動化が推進されてきたが、コミュニケーションを前提とし、人の判断を必要とする「非定型業務」に対する自動化は難しいとされてきたと説明。

 例えば、「会議」というコア業務には、「意思決定を行う」という真のコア業務のほかに、議題や優先度、関連業務といった事項を考慮した会議参加者全員のスケジュール調整や、参加者が遠方の場合には出張手配を行うといった、定型化が困難なコア付帯業務が存在するため、このような「非定型業務」に対して大規模言語モデルを活用することで、さらなる自動化の推進が期待されるとしている。

検証の対象業務

 検証では、大規模言語モデルをベースとしたAIが、インタラクティブなコミュニケーションを必要とする非定型業務を代替する、デジタルAIアシスタントとして機能することが可能かについて、ユースケースを通して検証する。デジタルAIアシスタントが代替するコア付帯業務は、コア業務と密接に結びついているため、業務の遂行には業界や業務に関する知識が必要となる。デジタルAIアシスタントが従業員と相談しながら、必要な業務知識や情報をもとに、自律的に業務遂行するエージェント機能の実用性評価を行う。

 検証の実施体制は、自然言語処理技術を持つAlgoAnalyticsと、AIによる自動化ノウハウを持つNTTデータ先端技術が共同で行うことで、先進技術の活用によるサービス化の早期実現を目指す。

【ユースケース】スケジュール調整

 取り組みを通して、従業員一人に対して専属のデジタルAIアシスタントが伴走し、過去のコミュニケーションを通じて収集したデータから、個別業務に特化したデジタルAIアシスタントへの指示を行う。例えば、「航空会社の好み」「新幹線の座席位置」などといった個人の嗜好(しこう)や傾向を学習し、その情報をもとに出張手配を行うといった「空気の読めるパートナー」として、デジタルAIアシスタントが振る舞うことにより、従業員が本来の真のコア業務に集中できる環境を提供し、業務の質と生産性の向上に寄与するとしている。

デジタルAIアシスタントの目指す姿

 NTTデータ先端技術では、検証による実効性評価とともに、ビジネス改革・デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す顧客との共創によるデジタルAIアシスタントの成熟をはかり、コンサルティングサービスなどを含む企業内への導入支援サービスとして、2024年4月までの開始を目指す。