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富士通Japan、消防や救急の現場活動を支援するスマートフォンを活用した情報統合共有システムを提供

 富士通Japan株式会社は21日、全国の消防本部向けに、消防や救急の現場活動を支援する、スマートフォンを活用した「Fujitsu 情報統合共有システム Multi Mobile System for Fire department」を提供開始した。

 同システムは、119番通報に基づき、通報内容や災害情報を管理する消防指令システムと連携し、消防士や救急救命士が専用スマートフォンで、指令内容や搬送先の医療機関への経路情報などを車両内や災害現場で閲覧できる。

 サイレンが響く車両内での無線の聞き漏らしや、重要情報の通知見逃しを防止するバイブレーションなどのプッシュ通知機能、車両からの降車後も各隊の活動状況をチャットでリアルタイムに情報共有できるタイムライン機能など、直感的に操作できる機能を搭載。また、現場活動後の救急報告書作成に向けた、傷病者のバイタルや処置内容などの情報登録機能など、消防士や救急救命士の初動対応から報告まで現場活動を幅広く支援する。

タイムライン機能と傷病者情報登録機能の画面イメージ

 システムでは、固定式のAVM(Automatic Vehicle Monitoring、車載器)と同様に、車両の位置情報および現場到着や活動開始などの動態情報を消防指令システムに通知する機能を備えているため、AVMとしても使用可能。また、利用予定の消火栓の予約状況を他の消防車と共有するための水利予約や、搬送先の医療機関の選定を支援する名称検索、および内科や小児科などの診療科の絞り込み検索機能も備える。これらの機能により、大規模災害が発生した緊急時には、一般的にAVMが設置されない広報車や搬送車などでも、システムをAVMとして利用できるなど、柔軟な車両運用を可能にする。

水利予約や搬送先医療機関の絞り込み検索の画面イメージ

 富士通Japanでは、2025年度末までに30消防本部への導入を目指す。