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Digital Realty、データセンターのESGデータ収集・分析にIBMのサステナビリティソリューションを採用

 米IBMは現地時間18日、Digital Realtyが「IBM Envizi ESG Suite」を活用して、6大陸27カ国、50以上の都市にわたる300以上のデータセンターのポートフォリオ全体の環境、社会、ガバナンス(ESG)パフォーマンスを収集、分析、報告していると発表した。

 IBM Envizi ESG Suiteは、IBMのサステナビリティソリューションとコンサルティング専門知識のポートフォリオの一部で、組織のESG目標の設定、運用、達成を支援するソリューション。ソリューションには、IBM Environmental Intelligence Suite、IBM Turbonomic、IBM Planning Analytics、IBM Cloud Carbon Calculator、IBM LinuxONEが含まれる。

 Digital Realtyは、クラウドとキャリアニュートラルなデータセンター、コロケーション、相互接続ソリューションの世界最大級のプロバイダーで、シカゴ、フランクフルト、ヨハネスブルグ、ロンドン、ニューヨーク、バージニア州北部、サンパウロ、シンガポール、シドニー、東京など、世界の主要都市でサービスを提供している。

 Digital Realtyでは、サステナビリティと環境スチュワードシップに取り組むため、ESGデータの収集、管理、そこから洞察を得るための一元的なハブとしてIBM Enviziを活用し、進捗状況の追跡、改善領域の特定、ステークホルダーへのパフォーマンス報告、開示要件への対応を行う。IBM Enviziは、ESGパフォーマンス、環境への影響、サステナビリティ目標を管理するための包括的な統合ソリューションを提供する。

 Enviziにより、ユーティリティデータ、電力使用効率(PUE)、再生可能エネルギー証書、廃棄物データ、出張、購入品やサービスなど、幅広いデータ収集を簡単にできる。これにより、報告や分析、意思決定のための一貫したデータを提供しやすくなる。例えば、スコープ1、2、3の GHG排出量計算機能を用いて、年次ESGレポートを作成できる。

 Enviziの高度な分析機能は、データをポートフォリオのパフォーマンスに関する洞察に変換することで、より良い意思決定とサステナビリティの目標への対応に役立つ。例えば、よりサステナブルなデータセンターの設計と構築、新しい電力供給方法の発見、運用方法の改善という3つの重点分野で現在のポートフォリオを評価し、変化を促進するのに役立つ。

 Digital Realtyは、透明性のあるESGデータの開示に取り組んでおり、2030年までにスコープ1と2の排出量を68%、スコープ3の排出量を24%削減するというSBTi目標に対する進捗状況も含め、毎年実績を報告している。EnviziのESG報告機能は、報告に関する質問と回答を1つのソフトウエアインターフェイスで管理し、報告プロセスを簡単にできるように設計されている。

 IBMも、エネルギーや水の消費量などの運用データの入力、保存、管理、省エネ・節水プロジェクトの計画と追跡、外部への報告や開示のサポートにEnviziを活用している。また、IBMはDigital Realtyの顧客でもあり、グローバルデータセンターのポートフォリオの一部をDigital Realtyにホスティングしている。The IBM Global Real Estateチームは、Digital Realtyがよりサステナブルな事業運営に向けて前進するため、Enviziの洞察と経験をDigital Realtyと共有しているという。