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DNP、飲料工場の生産ラインのデータをクラウドで管理・解析できる新サービスを提供

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は2日、飲料工場の製造DX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援する「DNP飲料工場支援サービス」を開発したと発表した。その第1弾として、工場の生産ラインのデータをクラウドで管理・解析できる「情報収計・分析ツール」を、飲料メーカー2社の国内工場にサブスクリプション方式(月額定額制)で提供開始している。

 今回発表した「情報収計・分析ツール」は、工場の製造設備に関するデータをクラウド環境で取得し、生産状況や課題を可視化するもの。製造設備の制御装置であるPLC(プログラマブルロジックコントローラ)や、製造ラインに取り付けたセンサー等からのデータ取得が可能で、DNPが提供する設備以外でも利用できるという。

 DNPでは、国内外に170ラインの充填システム導入実績を持つが、それに基づいたノウハウを生かし、取得した大量のデータに対して、データの正確性を高める独自のクレンジング処理を行った上で、集計・解析した結果をレポートとして提供する。

 利用者は、作業の進捗状況やラインで発生したトラブルの集計など、約40種類のレポート画面をWebブラウザで確認可能。工場の一貫した情報・課題管理を安定的かつ容易に行える環境を構築することで、工程ごとの属人的な業務体制を解消し、工場の省人化や品質向上、生産性向上、教育の質の向上(技術伝承)などに貢献するとした。

「DNP飲料工場支援サービス」の「情報集計・分析ツール」の概要

 なおDNPは今後、「DNP飲料工場支援サービス」の機能として、センシングモジュール、オペレーションサポートツール、自動化装置、メンテナンスサポートツール、教育・技術伝承ツール、コンサルサービスの提供など、メニューを拡張する予定。

 またPETボトルに限らず、多様な飲料工場に同サービスの導入を進めるとともに、将来的には、食品・医薬品・非食品分野など、さまざまな業界の工場に同サービスを提供する考えだ。DNPでは、サービス全体で2030年までに50ラインの導入を目指している。

「DNP飲料工場支援サービス」の全体イメージ