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ベリサーブ、トレーサビリティ管理ツール「ConTrack」にAI連携機能を追加

 株式会社ベリサーブは19日、同社が開発・提供するトレーサビリティ管理ツール「ConTrack」の新バージョンをリリースした。

 ConTrackは、システム開発における要求と設計の関係性を可視化することで、変更時の影響範囲を見極めながら、効率的に製品品質の維持・向上を実現するトレーサビリティ管理ツール。

 新バージョンでは、SGSジャパン株式会社が提供するAIエンジンと連携して、成果物間のトレース先候補を自動的にリコメンドするAIトレースにより、既存の設計成果物間のトレース作業を効率化し、大規模システムの品質向上・効率的な開発を支援する。

 SGSジャパンが提供するAIエンジンでは、ディープラーニングによるリコメンドアルゴリズムと、AI企画アセスメントシステム「Aissessor」で培った、文章の意味を解釈して意味が似通っている項目を抽出する技術を組み合わせた手法で、トレース先候補を提示する。このAIエンジンは、従来のリコメンドアルゴリズムでのコールドスタート問題に対応し、少ないデータにおいても精度向上が図られている。

 AIトレースの「AIトレーニング機能」は、ConTrackに登録されている顧客の文書や文書間の因果関係をAIエンジンが学習できるようにする。これにより、新たにトレース設定する際にリコメンドするトレース先候補の精度向上が見込まれる。具体的には、ConTrackに登録されている成果物とその本文およびトレース情報をAIエンジンに送信し、解析・学習させる。AIエンジンは、本文の意味と共にトレースされている項目間の関係性を学習して、トレース先候補をリコメンドする。

 また、「AIトレース先推定機能」は、ConTrackに登録されている成果物の要素に対して、AIエンジンが推定したトレース相手となる項目をリコメンドする。これにより、従来は手作業で行っていたトレース作業をAIがサポートすることで、設計成果物同士の関係性の可視化を効率的に実施できるようになる。

 ベリサーブでは、ライフサイクルの長いシステムでは、既存の設計成果物が大量に存在するが、ConTrackのAIトレース機能により、自動トレースができない開発文書の効率的なトレース作業を支援することで、既存の設計成果物を含めた要求分析や変更時の影響分析が可能となる体制を、早期に構築できるとしている。