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KDDIが商用展開を開始した5G仮想化基地局、HPEのTelcoサーバーを利用

 日本ヒューレット・パッカード合同会社(以下、HPE)は10日、KDDI株式会社が大阪府大阪市で商用展開を開始した、O-RAN準拠の5G仮想化基地局に利用されているサーバーを提供し、設定作業の自動化(Zero Touch Provisioning)を含むサーバーの統合管理・運用システムの構築支援を行っていると発表した。

 KDDIは、5Gサービスにより拡大する移動体通信用途、端末種類の多様化や増加により、急速な増大が予想される通信量に対応するため、O-RAN標準インターフェイス準拠のオープン化した5G仮想化基地局の商用展開を開始している。オープン化した5G仮想化基地局の導入は、機器調達の選択肢を拡大し、システムの高度化、迅速な展開、コスト優位なインフラの構築に寄与することが期待されるという。

 KDDIの基地局に利用されている「HPE ProLiant DL110 Gen10 Plus - Telcoサーバー(以下、HPEのTelcoサーバー)」は、vRANワークロードを処理するために最適化され、高い収容効率および電力効率を実現する。また、寒暖差や荒天などにも強靭性を発揮する特性を生かし、D-RAN(Distributed Radio Access Network)環境においてもサーバーが利用されている。さらに、HPE InfoSight for Serversの導入により、HPEのTelcoサーバーの障害予兆検知、運用保守の負荷軽減を実現する。

 KDDIでは、Ansibleを活用したサーバー機器の初期設定と検証、仮想化基盤の展開を自動化して、基地局を迅速に展開可能とするZero Touch Provisioningシステムを構築した。この中で、HPEのプロフェッショナルサービス部隊は、AnsibleにHPE OneViewを組み合わせ、テンプレートベースで設定作業およびライフサイクル管理を自動化する機能開発を支援した。

 電源投入を契機に、初期設定としてHPE OneViewおよびHPE InfoSight for ServersにHPE のTelcoサーバーを自動登録し、HPE iLOによるアプリケーションの要件に応じたファームウェアやシステムソフトウェア(BIOSやドライバー)の設定、ハードウェアの診断から、SSDディスクのデータ消去をはじめとする機器情報全般の初期化までのサーバー管理を実現する。構築と運用におけるシステムのライフサイクルの全般を自動化することで、地方などを含む日本全国への迅速な基地局展開と安定したサーバー運用を可能とする。