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KCCS、製造業の外観検査におけるAIシステム導入を支援する「外観検査AIパッケージ」を提供

 京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)は7日、製造業の外観検査におけるAIシステム導入を支援する「外観検査AIパッケージ」を、AI判定回数に応じた従量課金制で提供開始した。

 KCCSでは、日本の製造業の多くは、労働人口減少による人手不足への対策が求められており、製品検査の効率化と安定化が期待できる外観検査AIシステムの導入を視野に、PoCを検討する製造現場が増えていると説明。しかし、PoC段階でAIモデルの精度が不十分、運用検証段階でPoCの検査速度が再現できないなどの理由から、本運用を断念する「PoC倒れ」になるケースも見受けられ、また、AIモデル開発工数に加え、ハードウェア調達や外部連携を含めたシステム化にも多大な工数がかかることも、AIシステム導入の大きな課題となっているという。

 今回、提供を開始する外観検査AIパッケージは、外観検査AIに特化したパッケージシステムで、KCCSグループ会社の株式会社Ristが提供する、外観検査組み込み専用のAI開発ツール「RPipe-Image」がインストールされた学習PCと、「RPipe-Image」用に最適化した実行環境(AIプロセッサー/推論PC)をパッケージ提供する。パッケージの利用により、AIモデル開発(PoC)フェーズでは従来の10分の1の期間でAIモデルの作成が可能、AIシステム導入フェーズでは従来の3分の1の期間でシステム開発が行えるとしている。

外観検査AIパッケージ概要
外観検査AIパッケージを利用したシステム構成例

 外観検査に特化したAI開発ツール「RPipe-Image」と連携し、豊富なAIアルゴリズムを搭載しており、AIモデルの作成時に、設定ファイルの変更のみでさまざまなAIモデルの学習・評価・推論ができるため、検証サイクルの高速化が可能。また、AIの各種パーツのパラメーターを個別にきめ細かく設定できる。

 コストリスクを抑えた従量課金制を採用し、AI判定1回につき1円からの従量課金制で提供。また、外観検査AIパッケージ一式を、機能検証期間の3カ月間、無償提供する。

 AIシステムの導入計画を推進する際の手法を体系立てて学べる学習コンテンツや、システム開発時の機能を使いこなすためのリファレンスも用意され、顧客自身でスクリプトを組むことができるため、ブラックボックス化することなく社内でカスタマイズや横展開ができるとしている。