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富士通Japan、手術に必要なリソースを調整しスケジュールを自動作成するソリューション

手術室の稼働率向上による病院経営を支援

 富士通Japan株式会社は7日、手術室や手術機器、医師や看護師の予定など、手術に必要なリソースを調整し、自動的にスケジュールを作成するソリューション「Fujitsu リソース最適化エンジン Assignment Master」(以下、Assignment Master)を開発したと発表した。300床以上の大中規模病院向けに、同日より提供を開始する。

 現在、病院で新たに手術の予定を登録する際に、手術部では、曜日ごとに手術室の使用が優先される診療科、使用する手術機器の個数、手術室に固定されている特定の機器の設置有無など、制約条件を考慮して日時を決める必要があり、その調整に時間がかかってしまっているという。

 今回提供するAssignment Masterはこうした状況の改善を目的としたソリューションで、制約条件をあらかじめ設定しておくことにより、富士通独自開発の最適化エンジンが優先度の高い制約条件を満たすよう調整してくれる。このため、調整作業を行うスタッフが自動割振ボタンをワンクリックするだけで、例えば、医師が電子カルテシステムに入力した手術日や手術室への入室時間、所要時間の情報と、使用する機器の空き状況や看護師の勤務状況といった複雑な条件を人間が照らし合わせることなく、これらを考慮した手術スケジュールを、システム側が数十秒で自動作成してくれる。

 これにより、手動で行っていた調整作業の時間を約95%削減でき、スタッフの作業負担を軽減するとともに、医師や看護師の割り当て重複を未然に防げるとした。加えて、調整作業に不慣れな経験の浅いスタッフでも容易にスケジュールを作成できるので、経験値に依存しない割り当て業務の平準化を支援するとしている。

Assignment Masterを活用した手術スケジュール自動作成のイメージ図

 また手動による調整作業では、複雑な制約条件を満たすスケジュールの作成が困難だったため、調整次第では、並行して実施できるはずの手術が別の時間帯に割り当てられ、手術室の空きが発生してしまうといった問題が起こっているとのこと。

 しかしAssignment Masterの活用により、手術室の無駄な空きを防ぎ、効率的な稼働を実現できることから、手術実施件数の増加が見込め、経営改善を支援するとともに、良質な医療サービスの提供に貢献するとしている。

 なお富士通Japanでは、2025年度末までに70医療機関への導入を目指すとのことだ。