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会計バンク、スマホだけで利用可能なフリーランス専用の会計/請求書管理サービスを発表

「スマホ会計FinFin」と「スマホインボイスFinFin」を12月1日より順次提供

 会計バンク株式会社は1日、スマートフォンで確定申告作業を完結することができる「スマホ会計FinFin」と、スマートフォンでインボイス対応した請求書の受発注が行える「スマホインボイスFinFin」を、同日より順次提供開始する。利用者をフリーランスとして働く人に絞り、パソコンを利用することなく作業を完結できる新たなサービスを開発した。

2つの新サービスを提供開始

 開発元の会計バンクは、会計ソフトウェア「会計王」などを提供するソリマチグループの新会社で、代表取締役社長CEOも、ソリマチの代表取締役社長である反町秀樹氏が兼務する。

 反町氏は、「インボイス制度がスタートすると、多くのフリーランスの人が影響を受けるといわれる。インボイスに対応しなければ仕事がもらえなくなるケースも起こるので、そういった人に、既に持っているスマートフォンだけで完結するサービスを提供する」と狙いを話した。

会計バンク 代表取締役社長CEOの反町秀樹氏

フリーランス向けに特化した2つの新サービス

 今回、スマートフォンだけで確定申告までの作業を行うことができる「スマホ会計FinFin」、インボイス制度に対応した請求書の受発注サービス「スマホインボイスFinFin」の2つのサービスを提供する。副業を始める人など、フリーランスとして働く人が増えることを想定し、手軽に利用できるサービスを提供するという。また、用途ごとに2つのサービスに分けることで、それぞれ気軽に利用する人が増えることも狙っている。

 名称をFinFinにしたのも、「パンダの名前のように同じ音が2つつながる名前は、親しまれやすいと聞いている。FinFinという名称で、多くの人に親しまれるサービスとしたい」(反町氏)という狙いからだという。

ターゲット市場環境
FinFinのネーミング

 新サービスのうち、スマホ会計FinFinは、2023年3月からの正式版提供を予定している(ベータ版は12月1日より提供開始)。全国の金融機関99%と連携しているため、取引明細を会計仕訳に取り込め、利用者があらためて入力することなく、会計仕訳を終了できるとした。

 請求書やレシートなど、紙でもらったものについても、スマートフォンのカメラで撮影すれば会計仕訳として取り込むことが可能。手作業による入力作業を大幅に減らせる点が特長だ。

 経営に役立てられるよう、日別、月別などデータをグラフ化して表示する機能や、経費において科目ごとの割合を表示する機能を備えた。また、銀行口座から明細を取得完了した時などの通知機能を搭載。使い始めについても、直感的な操作で迷うことなく登録作業を行えるという。

スマホ会計FinFinの機能

 「会計のための作業は、確定申告前に1年分をまとめて済ませようとする人が多いが、スマホ会計FinFinは入力作業が最低限で済み、スマートフォンでどこでも手軽に作業できる。1カ月に1回、会計処理を行う習慣を持つことを訴えたい」(会計バンク 取締役CFOの片原範之氏)。

会計バンク 取締役CFOの片原範之氏

 一方のスマホインボイスFinFinは、12月1日からサービス提供を開始した。請求書発行などの定型作業は、コピー機能を使うことで簡単に対応できるほか、紙の書類もスマートフォンで読み込んで自動登録を行える。独自の請求書を利用している取引先に対しては、この読み込み機能を使って取り込んで作業し、スマートフォンから印刷機能を用いて紙の請求書を発行する、といったことも可能。郵送で請求書を送らなければならない場合も、印刷したものを送付することができる。

 ひんぱんに取引がある商品、取引先については、台帳として一元管理し、処理にかかる手間を軽減可能だ。

スマホインボイスFinFinの機能

 利用料金は、両サービスともに月額500円(税別)で提供する。

 なお、スマホ会計FinFinは利用期間60日まで、領収書OCRが1日5枚まで、確定申告閲覧のみなど、スマホインボイスFinFinは請求書発行やOCR受け取りが月間10枚以下などの制限があるが、無料プランも用意された。また2023年3月末までは発売記念キャンペーンとして、すべての機能を制限なしで、無料で利用可能となっている。

販売価格

 「利用者の累計として、最終的には200万人の利用を目指す。2023年10月からインボイス制度が始まるが、インボイス制度に対応する人は800万人程度いるのではないかと想定している。その中の200万人に使ってもらいたいと考えている」(片原氏)。

 競合製品などと比較した場合、両サービスのポジショニングとして、「会計ソフトはどんどん機能が強化され、中堅企業でも利用できるような機能を増やしていくことで、ターゲット層を拡大し、利用者拡大を進めている。それに対し、当社のサービスはターゲットをフリーランスに絞り込み、利用するデバイスをスマートフォンに限定し、機能を絞って提供する。ターゲットを絞り込むことで、UXを利用者にとって使いやすいものに絞り込んでいる」(片原氏)と述べ、フリーランス向けにUXと機能を調整したと説明している。

競合比較/ポジショニング

 今後は協業なども行う予定で、「今後発表していく」とのこと。将来的には、FinTechなど会計周りのサービスを起点とした新しいビジネス等が立ち上がると見られていることから、その先駆けとする狙いもあるという。

 発表会には、16年間、ソリマチグループのイメージキャラクターになっている松岡修造さん、タレントの おのののかさんが登場した。松岡さんは、「反町CEOと対談でお話した時に、スマホで確定申告ができるようにしたいという話がありましたが、ついにできちゃいましたね!」と当時を振り返りながら熱く語った。

 おのののかさんは、「実は仕事でパソコンを使ったことがない。自分でパソコンも持っていないんです」とまさに新サービスのターゲットにぴったり。さらに、「実は初めてお話ししますが、ピラティスの指導者の資格を取りました。新たに仕事として始められないかと考えています」と、副業を始める可能性があることを明らかにした。反町CEOから、「その時はぜひ使ってください」とアピールされると、「ぜひに」と笑顔で答えていた。

左から、会計バンクの反町秀樹社長CEO、おのののかさん、松岡修造さん
デモ画面