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パシフィコ横浜、JBCCの超高速開発により利用申し込みシステムをクラウド上に構築

 JBCC株式会社は28日、「パシフィコ横浜」を運営する株式会社横浜国際平和会議場(以下、パシフィコ横浜)の、施設利用申し込みのDX化を支援し、利用者の申し込みシステムおよび協力会社への作業指示書のクラウド化を実現したと発表した。

 パシフィコ横浜は、年間約1000件の会議やイベントを開催する複合MICE(企業会議:Meeting、報奨・研修旅行:Incentive Travel、国際会議:Convention、展示会・イベント:Exhibition/Eventなど、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称)施設。

 施設にとって、利用申し込みプロセスの利便性や満足度は、施設の継続利用につながる重要なものだが、従来の利用申し込みプロセスでは、顧客が紙やExcelベースの申込書に記入・押印後、郵便や電子メールで送付する手続きをとっており、その煩雑さのため、顧客満足度アンケートでは当該手続きの評価が低く課題となっていた。また、イベントの開催には施設と協力会社との連携が不可欠だが、申し込み情報を受けて、協力会社に機材や備品などを手配する作業指示書の作成もシステム化されておらず、業務の効率化を図ることも課題だったという。

 そこで、利用者が申込時に記入する「施設利用申込書」や「各種提出書類」、協力会社への「作業指示書」を全面Web化し、いつでも、どこからでも利用でき、簡単に手続きができるシステム化を図ることにした。パシフィコ横浜には、ITの専任者がいないため、システム開発はJBCCの超高速開発手法「JBアジャイル」を用いて、実務担当者の要望を実際の画面で確認しながら開発を行い、要件定義の内容と齟齬のないシステムの構築を実現した。

 これにより、直観的に操作できる分かりやすい画面と操作性が、幅広い層の利用者から支持され、また、イベント準備などで外出が多い利用者の利便性向上にも役立ち、申込書や各種提出書類に関する手続きの顧客満足度は、67%から82%に向上したという。

 施設利用申し込みシステムの構築では、超高速開発手法「JBアジャイル」で思い通りのシステムを実現。要件定義に基づき、実際に動く画面・機能を確認し開発に反映するサイクルを通して要望通りのシステムを実現し、十分なIT人材を確保できていなくても、システム構築プロジェクトを推進した。

 Amazon Web Services(AWS)が提供する各種機能やサービスを、部品として活用するクラウドネイティブ開発により、高品質なシステムをスピード構築。パブリッククラウドの活用により、施設の拡充など将来の変化に柔軟に対応できる拡張性あるシステムを実現し、オンプレミス環境ではコストが大きくなる冗長機能などを、AWSのプラットフォームを利用して安価に構築した。

 Webで施設利用の申請手続きを完結できるシステムで、社内外の利便性を向上。イベントごとに作成される「ユーザーページ」を実装することで、利用者サイド、施設、協力会社が個々のアクセス情報を用いて当該イベント情報にアクセスして、各種登録・手配を一元的に行うことで、進捗管理を共有し、作業効率を向上した。また、2段階認証導入で安全性を担保しながら、書類の押印レスで業務効率化を実現した。今後は、申し込みシステムと基幹システム間連携、蓄積したデータの利活用とDXロードマップに、JBCCが伴走するとしている。