東芝デジタルソリューションズ、倉庫運用の最適化サービス「LADOCsuite/WES」を提供

　東芝デジタルソリューションズ株式会社は22日、倉庫運用最適化サービス「LADOCsuite/WES」の提供を開始した。サービスは、倉庫内の人と機械の物流作業について、データを俯瞰して進捗をリアルタイムに把握、作業の完了時間を予測して適切なリソース配分を行うなど、人と機械をサポート・制御することで、倉庫運用の効率化に貢献する。

　東芝デジタルソリューションズでは、物流業界では効率化に向け、倉庫での荷物の入出庫や在庫管理など、人が行う作業を管理するWMS（Warehouse Management System、倉庫管理システム）と、荷降ろし・搬送、ピッキング作業など、ロボットやマテリアルハンドリング機器などの機械を制御するWCS（Warehouse Control System、倉庫制御システム）の活用が進んでいると説明。しかし、人を管理するWMSと、機械を制御するWCSの2つのシステムは通常統合されていないため、人と機械の作業を適切に配分し、効率的な運用を行うには、経験と勘に頼らざるを得ないのが現実だったという。

　このWMSやWCSとつなぎ、人の作業と機械の作業を統合的に運用・管理するのがWES（Warehouse Execution System：倉庫運用管理システム）となる。

　LADOCsuite/WESは、WMS、WCSと連携し、倉庫内の人と機械のデータを蓄積し、見える化、分析・シミュレーション、最適化を行うクラウドサービス。人・システムのタスクや負荷状況データを収集、リアルタイムに集計して見える化し、作業完了予定時間をシミュレーションすることで、作業遅れのリスクに早期に対処できる。

　分析・シミュレーションに基づき、倉庫内リソースの最大活用、スループットを全体最適化するとともに、進捗予測で遅れが見込まれる場合には、エリア間の要員調整などを最適にナビゲーションする。

　さらに、さまざまなWMS、その他のシステムとのデータ連携・編集を容易にする物流分野のデータ変換に特化したツールにより、既存システムとスムーズな連携を実現する。

　例えば、倉庫の作業員の突然の休暇、トラックの到着遅れ、荷物の量の急な増減など、リソースの臨機応変な見直しが必要な場合に、LADOCsuite/WESが、倉庫内の人と機械のリソースのタスクや負荷状況を俯瞰し、分析・シミュレーションを行い、適切なリソース配分を提案する。

　サービスの第一弾として、WESとWMSの連携機能の提供を開始。WESとWCSの連携機能については、今冬以降に提供を開始を予定する。さらに、さまざまな機器との連携機能の拡張を進め、協業パートナーを広く募り、メーカーを問わず企業間連携することで、物流業界の課題解決・デジタル化に貢献していくとしている。