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エスイー、NECネクサ、サトーの3社、RFIDを用いて「グラウンドアンカー」を個品単位で管理するシステムを構築

 株式会社エスイー、NECネクサソリューションズ株式会社(以下、NECネクサ)、株式会社サトーの3社は10日、RFIDを用いて、地滑りの防止や地盤補強のための製品「グラウンドアンカー」を個品単位で管理するシステムを構築したと発表した。

 グラウンドアンカーは、地中で引張力を作用させ、地滑りを防止する製品として、多くの建設現場で使用されているが、地中に埋められ、雨にさらされる設置環境では、バーコード等を物理的に貼り付け、個品単位で管理することが困難だったという。

 温度変化や降雨などの影響により、製品の引張力は変動するため、その変化を定期的に確認・記録することは、補強対象物の安定性を正しく評価する上でも必要とされており、こうした状況に対処するため、3社ではRFIDタグをグラウンドアンカーに取り付け、製品番号をもとに、製造・施工・メンテナンス履歴の情報をクラウドサーバーで一元管理するシステムを構築した。

 このシステムを利用すると、個品単位でメンテナンス情報を把握できるので、補強対象物の安定性を精緻に評価可能になり、より確実な保全計画を行えるようになるとのこと。また災害発生時には、点検履歴と照合し、影響を受けた製品の問題を正しく把握することにより、迅速な復旧計画の立案に役立てられるとしている。

 さらに、これまで台帳へ手書きしていた記録作業が、タグを読み取り端末を操作するだけの運用となるため、現場作業員の負荷も低減されるとした。

 なお、このシステムで利用されるRFIDは、特殊なタグを開発し、一般にRFIDが苦手とする金属・液体で構成されているグラウンドアンカーに取り付けても、非接触で高い読み取りを実現している。

 今回は、グラウンドアンカーの施工をエスイー、情報管理を行うプラットフォーム構築をNECネクサ、特殊RFIDタグの開発・製造をサトーがそれぞれ担当。2021年11月よりRFID付きグラウンドアンカーの出荷を開始し、2022年10月現在で1万本を超える納入実績があるとのことだ。